約 969,238 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2108.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380058656/ 京太郎「合同で旅行ですか?」 久「そっ。全国も終わったし、ちょっとは羽目を外さないとね」 和「確かに、たまにはいいかもしれませんね。でもどこに行くんですか?」 久「ふふ……なんとね……二泊三日で、海よ!」 咲「海ですか!」 京太郎「おおっ!!」 まこ「しかし、合同っちゅう事は他にも呼ぶんじゃろ?」 久「そうね。長野からわざわざ応援しに来てくれた皆も誘おうと思ってね」 咲「わあ、楽しそうですっ」 京太郎「まじすか!!よっしゃあ!」 優希「うおーっ!!楽しみだじぇ!!」 久「だから皆、来週末は空けておいてね。ほかにも決まり次第連絡するわ」 一同「「「はーい!」」」 ―週末― ブロロロ 久「よし、バスも来たわね。皆準備できてるー?」 優希「できてるじぇー!」 咲「大丈夫です」 和「あれ?でも……須賀君が見当たりません」 まこ「京太郎は遅刻か?」 久「あ、須賀君には買出し頼んでるのよ。もうそろそろ」 タッタッタ 京太郎「遅くなってすみませーん!」 久「ほら、来た」 優希「犬ー!早く来るじぇー!」 ドサッ 京太郎「ふうっ……これ、頼まれてた物です」 久「御疲れ様。それじゃ、行きましょうか」 優希「おー!乗り込むじぇー!」タッタッタ 和「こら!ゆーき!運転手さんに挨拶でしょう!」スタスタ 咲「優希ちゃんは元気だなぁ」スタスタ まこ「ちっと静かにしてくれりゃせんかの」スタスタ 久「はいはい、ほら乗った乗った」 京太郎「了解です。それじゃ俺も」 久「え?」 京太郎「え?」 久「……?」 京太郎「え、どうしたんですか?」 久「いえ、それじゃ行ってくるわね」 京太郎「はい……あ、先乗ります?」 久「え?」 京太郎「え?」 久「いえ、ええ。乗るけど」 京太郎「?」 久「……須賀君?」 京太郎「はい?」 久「えっと、行ってきます」 京太郎「はい?」 久「留守番よろしくね?」 京太郎「はい」 京太郎「……」 京太郎「はい?」 京太郎「あの、俺は」 久「あれ……言ってなかった……っけ?」 京太郎「……」 久「……」 ダッ!! 京太郎「えっ」 久「……」タッタッタ!! ガチャッ バタン!! 久「それじゃ!御土産買って来るわね!!」 京太郎「えっ」 久「運転手さん、もう出て大丈夫です」 ブロロロロ 京太郎「えっ」 咲「えっ!?あれ!?京ちゃんは!?」 優希「ぶちょー!?犬は!?」 和「須賀君が置いてけぼりなんですが!」 久「えっとね……須賀君は留守番って事言い忘れちゃってたみたい。てふふ」 まこ「鬼じゃ!!糞鬼じゃアンタ!!」 咲「きょ、京ちゃん……」 和「あんなに楽しみそうに旅行用具買い揃えてたのに……」 久「ま、まぁまぁ!須賀君の分まで楽しみましょ!」 ブロロロ 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……部室、行くか」 ―部室― ガチャッ 京太郎「……」 シーン… 京太郎「……」 スタスタ ガラッ ストッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「ふふっ」 京太郎(楽しみにしてたんだけどなぁ) 京太郎(親にも旅行に行くって言っちまったし) 京太郎(なんだろう……凄い虚無感だ) 京太郎「……」 シーン… 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「ふふ」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「笑えねぇ」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎(風越の福路さんとか、和とか、咲の水着姿) 京太郎(凄く、楽しみにしてたんだけどなぁ) 京太郎(何日も前から、天気予報気にして……) 京太郎(当日は何して遊ぶとか……予定立てて……) 京太郎(青い海……青い空……) 京太郎(夢にまで……見て…………) 京太郎「……」 京太郎(……ここは……部室だ) 京太郎(青い海も、白い浜辺も、水着の女の子達も居ない) 京太郎(茶色い、木造建築だ) 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……?……」 京太郎「…………!!」 京太郎「…………いや」 京太郎「いや、……いや!」 ガタッ……! 京太郎「ここは……青い海じゃないか……!?」 京太郎「……俺が今立っているのは……」 京太郎「白い砂浜じゃあないか……!!!」 京太郎「ヤッター!!」 京太郎「海だ!!!」 京太郎「ヤッター!!!!」 京太郎「ここは海なんだ!!!!ヤッター!!!!」 京太郎「そうと決まれば……!!」ダッ ガサゴソ 京太郎「早速水着に着替えるぞ!!」 ―廊下― スタスタ 一太(しまった……会長に書いてもらわないといけない書類を忘れていた) 一太(会長、全国大会終わったけど部室にいるだろうか……) 一太(まぁ居なかったら家まで届ければいいか) 一太(着いた。誰かいるかな) コンコン 一太「すみません、生徒議会の者です」 「どうぞ」 一太(野太い声が聞こえた) 一太「失礼します」 ガチャッ 京太郎「……」←全裸 一太「……」 京太郎「……」 一太「……お邪魔しました」 バタン スタスタ 一太(……悟った目をしていた……) 京太郎(何だったんだろう、副会長……) 京太郎(まぁいいや。海パン履こう) ………… ザッ 京太郎「海っっだ――っっ!!」 京太郎「ヤッホ――――――!!!!」 京太郎「くぅ~っ!!太陽に身を焼かれる様だぜ……!!」 京太郎「……潮風が気持ち良い……」 京太郎「へへっ!よし!それじゃあ」 京太郎「早速海に飛び込むか!!」 京太郎「よーし……」 京太郎「……」 京太郎「海……」 京太郎「……」 ―水道― ジャァァァァァァ 京太郎「……」 ジャァァァァァァ 京太郎「……」 ジャァァァァァァ 女子「なんであの人海パン姿で水汲んでるんだろう……水泳部かな」 女子「何か真顔で怖いね……」 ―部室― ガチャッ 京太郎「……」 ブンッ!! バッッシャァァーン!!! 京太郎「海だァ―――――――!!!!」 ピシャピシャ 京太郎「ははっ!!冷たくて気持ち良いー!!」 京太郎「潮辛くねえ!!すげえ!淡水だこれ!!」 京太郎「ほら!!皆も来いよ!!すっげえ気持ちいいから!!」 京太郎「皆……も……」ピタッ シーン…… 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……皆……」 京太郎「……おいでよ」 フルフル 京太郎「おいで……てばぁっ……!」フルフル 「……」 京太郎「……!」ピクッ バッ!! 京太郎「……!!」 京太郎「……今の……声」 京太郎「……」 京太郎「…………み」 京太郎「皆……?……居るのか……?」 京太郎「おい!皆!どこだ!?」 京太郎「どこに居るんだよ!!皆!!」 京太郎「皆!隠れてないで、出て来いよ!!」 京太郎「じゃないと、俺」 京太郎「俺……一人ぼっちに……!!」 「……」 京太郎「……!!」バッ!! 京太郎「……あ」 京太郎「…………あぁぁ……!!」 京太郎「……そこに……そこに居たのか……!!」 麻雀牌「……」 京太郎「皆ぁ!!」 スタスタ 京太郎「もう、皆ここにいたのかよぉ~!」 牌「……」 京太郎「ほら!皆も一緒に海に入ろうぜ!!」 牌「……」 京太郎「む、ノリ悪いな……」 ガシッ!! 京太郎「それっ!!」 バシャァーン!! 京太郎「ははは!どうだ?気持ちいいだろ!?」 牌「……」 京太郎「……う……わ、悪かったよ……そんな皆して睨むなよ」 牌「……」 京太郎「あーもう!!はいはい!!手を貸します貸します!!ふて腐れるなって!」 京太郎「よいしょっ……っと」 牌「……」 京太郎「悪かったってば、そんな睨むなって」 京太郎「でもほら、何人かはそのまま泳いでるぞ?」 南「……」プカプカ 京太郎「ほら。お前も泳いでみたらどうだ?」 牌「……」 京太郎「あはは、悪かった。お前カナヅチだもんな」 牌「……」 京太郎「ああ、知ってたよ。お前とは幼馴染だしな」 牌「……」 京太郎「え?あぁはいはい。お前たちも引き上げてやるって」 ヒョイッ 京太郎「全くお前はいつまで経っても高飛車でお嬢様なんだから」 牌「……」 京太郎「……そんな目してるともう一回投げ込むぞ」 牌「……」 京太郎「……ぷっ、あはは!!冗談だっての!!」 牌「……」 京太郎「えっ!?なんで次はお前が俺を睨んでるの!?」 京太郎「……ひょっとして嫉妬ぉ~?」 牌「……」 京太郎「隠すな隠すな!いやぁもてるオトコは辛いなぁ~!」 萬子「……」 京太郎「わっ!?せ、先輩!!前隠してください!!前!!」 …… スタスタ 京太郎「ふう……ちょっと泳ぎ疲れたぜ」 京太郎「あれ?」 牌「……」チョコン 京太郎「ああ、お前も休憩中なんだ」 牌「……」 京太郎「え?俺?いやちょっと泳ぎ疲れちゃってさ」 牌「……」 京太郎「しっかし……こんな大所帯じゃそりゃ疲れちまうよなぁ」 京太郎「136人も居るからなぁ」 牌「……」 京太郎「……どうした?いつもうるさいくらい元気なお前がやけに元気ないじゃんか」 牌「……」 京太郎「……何かあったのか?」 牌「……」 京太郎「元気がないのは俺の方だって?…そんなこと、ねーよ」 牌「……」 京太郎「そんなことねーって。いい加減しつこいぞ」 牌「……」 京太郎「わかったような口をきくのは止めてくれ…いーじゃねーか、お前だって楽しいんだろ?」 牌「……」 京太郎「ならそれでいいだろ。わかったならもう…」 牌「……」 京太郎「…うるせーよ」 牌「……」 京太郎「うるせえって言ってんだろ!黙れよ!」 牌「……」 京太郎「何でお前は俺に現実を突きつけてくるんだよ…頼むからもう黙っててくれよぉ…」 牌「……」 京太郎「俺はもう嫌なんだよ…こんな…報われない現実…」 牌「……」 京太郎「…ははっ、諦めるな…ってか…安っぽいセリフだな…」 京太郎「本当は青い海なんて見えてなかった…白い砂浜だってな…」 牌「……」 京太郎「全部、ただの茶色なんだよ…」 牌「……」 京太郎「わかってるって…お前にそんなことを言わせてるのだって俺なんだ…だからさ」スッ 牌「……」パタン 京太郎「もう、逃げるのはやめだ。」 タッタッタッ… 京太郎「…ん?誰かが走って…?」 ??「ふぎゅっ!」ドテッ 京太郎(おいおい…まさかな…) ??「あぅぅ…」プルプル 京太郎「やっぱりか…」ハァ スタスタ ガラッ 京太郎「よう。咲」 咲「きょおちゃあん…」グスッ ーあの後咲はやっぱり俺のことが気になってバスを降りてここまで来たわけだ。 こんなに時間がかかったのはいつものことだな。その後は特筆する事もない。ただ… 咲「なんで京ちゃん水着着てるの?」 京太郎「へっ!?あぁ、これはな…ブシツヲマルットソウジスルタメダヨ?」 咲「…何で目をそらすの?」 京太郎「ソラシテナンカ…ナイヨ?」 咲「…もう、京ちゃんは私がいないと何するかわかんないね!」フフン 京太郎「てめぇ咲!ふざけたこと言ってんじゃねえ!」グリグリ 咲「痛い痛い痛い~!!」 京太郎「ま、ありがとな…わざわざ来てくれて」ナデナデ 『if -心神喪失ルート-』 京太郎「所詮、俺は雑用係だからな…あいつらと同じなんてただの思い上がりなんだよ」 京太郎「ただ部室をきれいに、牌符を見やすいようにするだけで役に立つんだ」 京太郎「人の役に立つことは良いことだ。これをずっとやってれば誰にも嫌われないし疎まれることもない」 京太郎「あぁ、でも心は邪魔だなぁ。仕事を邪魔するのはいつも感情なんだから」 京太郎「心なんて、キエテシマエバイイノニー」 ーーーーー 久「あ、あのね須賀君…ごめんね?連絡忘れちゃってて…」オドオド 京太郎「いいですよ別に。俺は気にしてませんから。皆が楽しんできてくれたならそれで良いです」ニコッ 久「須賀君…」ウルウル 和「許してもらえて良かったですね部長」 まこ「たまには怒った方が薬になると思うんじゃがなぁ…」 優希「ま、所詮犬だからな!」 咲(なにか…おかしい…) 京太郎「どうした、咲?なんか暗いぞ」 咲「う、ううん。何でもな…!?」ズサッ 京太郎「?」 咲(何がおかしいのかわかった…今の…今の京ちゃんは…) 咲「笑ってなんか…ない…」 京太郎「…気付かれたか?まあいい」ボソッ 優希「犬!とりあえずさっさとタコスをよこせー!」 京太郎「はいはい。買ってくるから少し待っててくれよ…」タッタッタッ 優希「…んん?」 和「どうしましたゆーき?」 優希「いや、なんか…素直すぎる気がするじぇ…んー?」 和「言われてみれば…でもいつもに比べたらってぐらいだと思いますよ」 優希「…のどちゃんが言うなら多分…そうだな!」 まこ「全く…咲?おんし…泣いておるのか?」 咲「…え?」ポロポロ 優希「咲ちゃん!?」 咲「あれ?なんで…涙が…?」グシグシ 和「何か嫌なことでもあったんですか!?」 咲「わかんない…わかんないけど…止まらない…」ポロポロ ーもしかしたら、このとき私は分かっていたのかもしれない… ーもう、「京ちゃん」には会えないのだと… カンッ 『if -京子ちゃん未遂ルート-』 京太郎「……」 京太郎「……うん、分かった」 京太郎「俺だって部員の一人なんだ、と思っていたけれど。 どうやら皆はそう思っていないらしい」 京太郎「まあ、麻雀が弱いからな。仕方ないか」 京太郎「……本当にそうか?」 京太郎「皆の俺に対する態度は、もっと根本的な部分にあるんじゃないだろうか」 京太郎「……」 京太郎「ああ、そうか。俺が男だからか」 京太郎「……しょうがない」 京太郎「取るしかないか」 京太郎「えーと、確かリンゴを剥くときとかのナイフがあったはずだよな」 京太郎「……お、あったあった」 京太郎「よし、やるか。せーの」 一太(……どうもさっきのが気になる。ちょっと様子を見てこよう) 一太「あの、須賀君いるか、い…………!?」 京太郎「あ、副会長」 京太郎「すいません、今取り込み中なんで」 一太「い、いや。待て、待ってくれ! 何をやってるんだ君は!」 京太郎「邪魔しないでください! 麻雀部になるために必要なんです!」 一太「いいからそのナイフを離せ! きゅ、救急車!」 ピーポーパーポー 京太郎「……」 一太「や、気がついたかい?」 京太郎「あれ? ここ、病院……?」 一太「覚えてないのかい?」 京太郎「ええと、確か、確か俺は――――ああ」 京太郎「思い出しました」 京太郎「……バカみたいだ、俺」 一太「親御さんとは連絡がついた。もうすぐ来ると思う」 一太「それで。まあ、傷は浅かった。ちょっと痕が残るかもしれない けど、ほら、付け根の部分だしね」 京太郎「……」 一太「それで。どうしてあんなことを?」 京太郎「……自分でもよく分かりません」 京太郎「ただ、部員として扱われていない気がして」 京太郎「それは、俺が男だからって思って。それで……」 京太郎「女になれば、仲間になれると思ったんです」 一太「――須賀くん、いいかい?」 京太郎「……」 一太「ムゴいことを言うようだけど、君は彼女たちの仲間になれない」 一太「たとえ君が女になったとしても、それは変わらない。むしろ、 部の雰囲気は変わり果てるだろう」 一太「それは多分、君が望むことじゃない。君が気を遣われて、 ひたすら怯えられる毎日なんて、想像したくもないだろう」 京太郎「……じゃあ! 俺にどうしろって言うんですか!」 一太「そんなの簡単だろう、須賀くん。いいかい?」 ――部を、辞めてしまえばいいのさ―― 京太郎「……」 京太郎「……ああ」 京太郎「……そうですか。もう、それしかないんですか」 一太「ない。君がこのまま、精神を削られる毎日に耐えるなら 別だけどね。心を鉄にして、機械みたいに」 京太郎「無理です。……もう、耐えられない」 一太「退部届。書いておく?」 京太郎「……一晩考えさせて下さい」 一太「うん。どこかの部に入部するなら、問題ないよ。中途入部は 珍しくもないからね」 一太「それから……会長たちには連絡していないから」 京太郎「ありがとうございます」 その後、親がやってきて泣かれて怒られた。 申し訳ないな、と俺も泣いて謝った。 京太郎「……」 京太郎「退部か」 京太郎「……いや、でも……」 ???「なあにが「デモデモダッテ」さ。バカか、てめぇは」 京太郎「……」 京太郎・裏「分かっているだろう? お前にもう、麻雀をする理由は ない」 京太郎「そんなことは、ない」 京太郎・裏「和目当て? そんなの夏が来る前に終わった、恋ですら ない憧れだろう」 京太郎・裏「雑用係としてコキ使われることに幸せを感じる? そこまでドMって訳でもないだろ」 京太郎・裏「とうの昔に、麻雀は飽きていた。いや、諦めていただろう」 京太郎・裏「お前が麻雀部にしがみついていた理由は、ただ一つしかないじゃないか」 京太郎・裏「……咲のためだ。あいつが自分の足で立って、前に 進むためだろ」 京太郎「……」 京太郎・裏「中学のとき、あいつと知り合って俺たちは誓った。 宮永咲が、きちんと前を向いて歩いて行くために全てを捨てると」 京太郎・裏「なのに、お前はそれを中途で歪ませた。何故だか分かるか?」 京太郎「……やめろ」 京太郎・裏「やめない」 京太郎・裏「簡単な理屈さ。お前はあいつが、自分の足で立ったことを 認めたくなかっただけじゃないか――」 京太郎「やめろって言ってるだろ!」 ――初めて出会ったときのことを覚えています。 ――今にも消えてしまいそうに、儚いあの娘の姿を覚えています。 ――手を引っ張っても動かなくて。 ――だから、彼女を担いで歩き出しました。 京太郎・裏「よくあることさ。父親が、娘の結婚を認めないのと同じ 理屈でしかない。お前は単に、嫉妬しているだけだ」 京太郎「うるせえ! お前に何が分かる!」 京太郎「咲は、アイツは、俺がついていてやらないと――」 京太郎・裏「諦めろ。もう俺たちの役割は終わったのさ。 ……でも、いいじゃないか。俺たちの、俺の望みは、そうだったろう」 京太郎・裏「アイツが、俺のいないところでも立って歩けるように。 胸を張って、生きていけるように」 京太郎・裏「――そう、願っていたからじゃないのか」 京太郎「違う! 違う、違う、違う! 俺は、俺は、俺は――」 京太郎・裏「まだ分かってないのか、お前は。 咲はここで終わらない。そしてお前も、ここで終わらない。別に 死んだ訳じゃない、一つを失っただけだ」 ――失ってはならない、大切な陽だまりのような彼女を。 ――失うことを、ただ恐れたからじゃないのか。 京太郎「……」 京太郎「……ああ」 京太郎「……そうか。俺は、咲を失っていたのか」 京太郎・裏「とっくの昔にな。お前が麻雀に誘って、彼女が自分の 意志で麻雀を始めた頃に」 京太郎「振られた……いや、何か違うな。いや、振られたで 正しいのか」 京太郎・裏「それも、自分から振らせておいてだ。……だってそうだろ? お前は、麻雀なんかやらせなければ良かった。アイツは一生、 お前だけを見て生きていただろうさ」 京太郎「……そっか。これで終わりなのか」 京太郎「彼女を守り続ける日々も。彼女の傍にいる日々も」 京太郎・裏「さてな。守り続ける日々は終わったが、傍にいる日々が 終わるかは分からないぜ」 京太郎「……そんなものか?」 京太郎・裏「スゴい、我ながらこの鈍さは相当だ」 京太郎「……まあいいや。で、俺はこの後何をすればいい?」 京太郎・裏「さあな。お前が死のうが生きようが、男になろうが女に なろうが世界は続き、世界は回り、世界は動く」 京太郎・裏「だから、走るしかないんだよ。須賀京太郎」 京太郎・裏「大体お前、走ることしか能が無いんだから」 京太郎「……そうだな。明日からは何の為に進もうか」 京太郎・裏「決まってるだろ。自分の為に進め」 京太郎・裏「じゃあな、俺。もういちいち呼び出すな」 京太郎「……」 京太郎「うん。麻雀部、辞めよう」 そう決めた。 ――数日後 京太郎「お。みんな、お帰り」 咲「ただいま……ね、ねえ京ちゃん」 京太郎「おう、咲。楽しかったか?」 咲「え? あ、うん……」 京太郎「ならいいんだ」 和「……?」 和(須賀くん。何か普段と違うような……) 優希「お、おーす! 元気してたか、京太郎ー!」 京太郎「おう、色々あったが何とかな!」 優希「そっかー! ……あ、あのな。咲ちゃんとも話したんだけど、 今度一年生だけで、また海に……」 久「た、ただいま~」コソコソ まこ「お主……今更何をやっとる。大人しく沙汰を受けい」 京太郎「部長、お疲れ様です!」 久「あ、あうあう……お、お疲れ様です」 京太郎「……?」 京太郎「まあいいや。ええと、部長。こちらを受け取ってくれます?」 久「あ、うん。ええと…………た、退部、届?」 全員「!?」 京太郎「ウッス。色々と考えて、こういう結論に達しました。 あ、勘違いしないでください。今回の一件は関係ないです。 ただ、別の何かをやりたくなったんです」 咲「きょ、京ちゃん!」 優希「きょ、きょうたろお……」 京太郎「ああ、いいからいいから」 久「……」 久「……そう」 久「……そう、よね。はい、分かりました」 部長はがっくりと項垂れて、退部届に必要なサインをくれた。 京太郎「掃除は済ませておいたし、ええと……和。これいいか?」 和「あ、あの須賀くん! 辞めるって……」 京太郎「多分、この中じゃ和が一番しっかりしてるから。受け取ってくれ。 雑務関係の引き継ぎ書類」 和「……はい。ありがとう、ございます」 優希「京太郎! ほ、ほ、本気なのか!? ねえ……やだ、やだよ」 京太郎「心配するな。タコスなら、時々作ってやるから」 優希「違う! そうじゃ、そうじゃなくて……」 京太郎「……ごめんな、優希。でも、もう俺はいいんだ」 優希「……」 優希「……わたしのこと、嫌いになった?」 京太郎「まさか。お前の騒がしいところも含めて、嫌いな点なんか 一つもないぞ」 優希「……」 優希「……そっか」 京太郎「まこ先輩、色々お世話になりました」 まこ「……ん。その、部を辞めてからどうするつもりじゃ? 帰宅部か?」 京太郎「うーん、まだ決めてませんけど。何か別のことをやりたいな、 と思ってます」 まこ「そうかあ。……おんしがそう思っちょるなら、これが一番ええん じゃろうな」 京太郎「うっす。まこ先輩も、ありがとうございました!」 咲「……」 咲「……京、ちゃん」 京太郎「……頑張れよ、咲。お前は頑張れるんだから。 心配するな。俺が保証する」 京太郎「それじゃ、すいませんが。失礼します」 ガラガラガラ。 久「……」 久「……ごめんなさい。私のせいだわ」 久「頼って、縋って、背負わせて。……見返り一つ、与えなかった」 まこ「……そうかのお」 まこ「……いや、実際そうなんじゃが。どうも、京太郎はそういうもの とは違う何かが理由な気がする」 久「……」 和「ゆーき……」 優希「あ、あいつっ。あいつっ、わ、わたしのこと嫌いって言ってないよな?」 和「ええ、大丈夫ですよ。須賀くんは、多分誰も嫌いになってないと 思います」 咲「……」 咲「……やだ」 咲「やっぱり、やだ!」 ――咲。お前は走るとコケるんだから、迂闊に走るなよ。 そんな言葉を思い出す。 中学のときだったか、高校に入ってからだったか。 人生のどん底にいた私は、京ちゃんに手を引っ張られてここまで来た。 他の女子生徒にやっかまれたこともある。 金魚のフンみたいに言われたこともある。 ……それでも良かった。京ちゃんと一緒にいられるなら、 どんな扱いだって、我慢できた。 京ちゃんの傍にいることだけが、私にとっての自慢で誇りで報酬だった。 ――ああ、そうか。 でも、京ちゃんの報酬は何だったのだろう。 私に構わないでいれば、彼女なんて幾らでも作れたはずだ。 趣味の合う友達と遊ぶことも、できたはずだ。 ――私はいつだって、須賀京太郎に「縋る」だけしかなくて。 ――あの人の報酬を、一度でも考えたことがなかった――。 咲「京ちゃん!」 ごめんなさい。 咲「京ちゃん!」 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。 咲「京ちゃあん!」 ごめんなさい――――――! 京太郎「……はあ。どうした、咲」 咲「わわっ!?」ツルリ 京太郎「お、危ねえ!」 ダイブ キャッチ。 滑って転びかけたわたしを、いつものように京ちゃんはあっさりと 助けてくれた。 京太郎「……はあ、本当咲は先が思いやられる」 咲「……ダ、ダジャレ?」 京太郎「我ながら上手いだろ」 全然上手くない……。 ――屋上。 橙色の光が、運動場を染め上げていた。 野球部の声と、バットの甲高い音が、遥か遠くから聞こえてくる。 青春小説の世界だな、と私は思う。 京太郎「……で、どうしたんだ?」 咲「……京、ちゃん」 辞めないで、と言いたかった。 でも、言える権利があるはずもなかった。 今までもずっとずっと、私たちは京ちゃんを酷く扱っていた。 私はそれを、どうしてかずっと見過ごしていた。 だって、京ちゃんはいつだって――いつだって、傍にいてくれると。 そんなことを、思っていた。 京太郎「……なあ、咲。どうもお前は勘違いしているみたいだから、 言ってやるぞ」 咲「何……?」 京太郎「もう、お前は俺がいなくても大丈夫なんだ」 咲「え――――?」 そんなはずはない。 そんな訳がない。 京ちゃんがいないと、私は何もできない。 京太郎「……すまん。俺はそこまで、お前を追い込んでいたのか。 違う。そうじゃない。お前はもう、大丈夫なんだ」 ――俺がいなくても、蹲って助けを待ったりしない。 ――たとえ、何かに転ばされたとしても。 ――お前はきっと、立ち上がる。 京ちゃんは、そう誇らしげに言ってくれた。 咲「無理だよ……無理、無理、絶対無理!」 咲「私は一人じゃなんにもできない! 一人じゃ立てない、 一人じゃ歩けない! 一人じゃ、前に進めない!」 京太郎「それは嘘だ。咲、俺が手を引っ張る時期は終わった。 お前の幼年期は、もう終わったんだ」 咲「違う! 違う、違う、違う……!」 京太郎「咲、哀しいことを言わないでくれ。俺に誇らせてくれ。 お前はもう、立って歩けるようになったと」 咲「――わた、しは」 京太郎「報酬のことなら心配するな。 俺は、お前が幸せであるならそれが報酬だ。有り余るほどの報酬だ」 咲「……わたしは、前に進めるの? こんなに鈍臭くて、麻雀以外 何にもできない、こんなわたしが?」 京太郎「俺はそう、信じている」 ――誇らしげに。私の傍にいてくれた少年は、笑った。 咲「……でも、不安だよ。また転ぶかもしれない、また蹲るかもしれない。 また……」 京太郎「助け起こすことくらい、俺じゃなくてもできるさ。 重要なのは、立ってから前に進めるかどうかだ」 咲「……そう。京ちゃんは、私を信じてくれるんだね」 京太郎「――ああ。俺のことは心配するな、大丈夫だよ。 お互いに頑張ろう、咲」 ――ああ。そうか。 はらはらと、眼から涙がこぼれ落ちる。 なのに、その涙はどこか温かで。 私はようやく、宮永咲を認めることができたのだ。 ――それで、ようやく私も理解できた。 ――別れることで、再会できる喜びもあるのだと。 咲「……ねえ、京ちゃん。お別れの儀式をやろう」 京太郎「儀式?」 咲「ほら。背中向けて」 京太郎「お、おう」 戸惑う京ちゃんの背中に、私はぴったりと背中をくっつける。 咲「振り向かずに、前に進もう」 京太郎「フェンスに到着するんだけど」 咲「儀式だからいいの。京ちゃん、私、まだ自分が信じられない。 私が前に歩けるかどうか、分からない」 京太郎「……」 咲「……でも。進もうと、思えたよ。京ちゃんが保証してくれるなら、 私は前に進める」 京太郎「……おう」 咲「お互いに振り返らないで、行こう」 京太郎「そうだな」 咲「じゃあ、いっせーのー…………で!」 決して振り返らない。ただ前だけを見る。 振り返りたくなるのを堪える。きっと、京ちゃんも堪えているはずだから。 居るはずだった人が隣にいない寂しさを。 その人が保証してくれた喜びで埋め尽くす。 お互いに前に進むのだ。時に道が曲がりくねることだってあるだろう。 ――だったら。いつか、道が交わることだってあるだろう。 誓いは心臓に。想いは胸に。 私には、立って進むための足がある。 和「……」 ――私は思うのです。 ――せめて、二人が女同士であれば良かったのだろうと。 ――終生変わることのない親友でいられたのだろうと。 ――でも、咲さんと須賀くんは異性同士で。 ――恋心がヘンに絡むから、きっとこれほどややこしくなったのでしょう。 ――何より、互いに自覚はないのが最悪です。 ――だから、これで良かったのです。 ――須賀くんが咲さんを導いたように。 ――須賀くんも、きっと何かに導かれる。 ――だから、多分大丈夫。 ――前に進んでも、道を間違ったとしても。 ――咲さんの恋心は、きっと、変わることなく―― ――二年後。卒業式 髪を伸ばした。 少しだけ、化粧もするようになった。 残念なことに、胸は残念なままだったけれど。 いや、それでも、まあ、少しくらいは。 いけないいけない。 私はようやく慣れてきたスマートフォンのメールを見直し、 場所が合っているかどうかを確認する。 うん、合ってる。 ……結局、前に進む速度はのろかった。 少しだけ転ばなくなった。 少しだけ道に迷わなくなった。 少しだけ――自分に、自信がついた。 それでようやく、自覚できた。 成長することで、初めて認められることがあったのだ。 ――彼は私の初恋だった。 ――ずっと、ずっと、そうだったのだ。 ――依存することでそれを隠した。 ――自分は、彼におんぶにだっこすることでしか生きられないと。 ――そう、誤魔化し続けた。 ――それに別れを告げて、一人で前に進んだ。 ――友達から助けて貰って。道筋を教えて貰いながら、 ――前に進むことだけは、自分の力でできた。 京太郎「咲ー!」 咲「……ああ」 手を振る少年の姿は、二年前より精悍になっている。 私は、須賀京太郎が好きです。 だけど、振られても構わない。いや、泣くだろうけど。最低一週間は泣き通すだろうけど。 「それでも、人は前に進める」 この人が、そう教えてくれたのだから。 京太郎「……咲、綺麗になったな」 咲「京ちゃん、かっこよくなった」 京太郎「……じゃ、やっぱり同じことを考えていたのか?」 咲「多分そうじゃないかな。……そうだといいな」 京太郎「せえの、で言おう」 咲「そうだね。……せえの!」 オレ キミ ――須賀京太郎は、宮永咲が大好きです―― ワタシ アナタ ――宮永咲は、須賀京太郎が大好きです―― かくして、二人は共に歩き出す。 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/7739.html
久「そういえば……須賀君って咲の幼馴染よね?」 京太郎「そうですけど……それが何か?」 久「なら、宮永さん。咲にお姉さんも知ってるんじゃ?」 京太郎「知ってますけど」 久「やっぱり、こういう子なの?」 京太郎「あぁ……そういうことですか」 久「咲に聞くと頼りになるお姉さん。テレビだと愛想がいい人で、雑誌だとクールな人よね」 京太郎「んー……俺にとっては、こんな人っすかね」 久「携帯?」 京太郎「高校に入ってからメールしてるんで……」 久「どれどれ……」 件名:全国大会 文名:京ちゃんも全国大会に来るんだね 久「あっちも京ちゃん呼びなのね」 京太郎「……何時の間にか」 私も行くから、あっちで待っ☆テル☆ね! 久「……」 京太郎「……」 久「まじで、これ?」 京太郎「まじっす」 久「イメージが壊れたわ」 京太郎「自分もです」 その頃の白糸台- 淡「これでよし! テルー! 送信しといたよ!」 照「ありがと、淡」 淡「いいけど、いい加減メール出来るようになろうよ」 照「……考えとく」 カンッ!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6188.html
特別編 side千里山 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ○月×日 今日から合宿、さすが名門千里山、2人1部屋とはすごい 練習施設も結構すごかった 夜、練習のことで少し聞きたいことができ、竜華さんと怜さんの部屋を訪ねた ノックをして返事をしたから普通にドアを開けると、2人とも裸Yシャツだった 怜さんのあちゃー、と言いたげな顔と、竜華さんのしまった!という顔が対照的だった 竜華さんが普段のようについ返事した、ということだろう というかなぜに裸Yシャツ?すばらだけど!!白い太ももとか!!大き目のYシャツだから見えそうで見えない下着とか!! この恰好が涼しくて寝やすいと怜さんが言っていた。ありがとうございます なんか竜華さんが真っ赤になって慌ててしまっていたので明日聞くことにした それにしても……良かった 帰り際、慌てる竜華さんからチラっと白い下着が見えたのが頭を離れない そういえば、見覚えがあるYシャツだったな…… この前Yシャツ2枚失くしたけど……いやまさかな 竜華「…………」ダラダラ 怜「…………」ピー セーラ「おう、竜華も何汗かいとるんや?怜も口笛なんか吹いて」 泉「先輩方……」 浩子「アカンですね……とりあえずブツを出してもらいましょうか」 竜華「ち、違うで!?」 浩子「ほう、何がどう違うのか話してください」 竜華「アレや……ほら、京太郎にみっともない恰好見せて恥ずかしいやん?」 セーラ「結構嬉しそうやでー。ここの部分、やけに筆圧があるわ」 竜華「え、ホンマ?えへへ……」 泉「いや照れてる場合ですか?どうやって盗ったんです?」 怜「泉、人聞きの悪いこと言うなぁ……ウチと竜華が京太郎のYシャツを盗る訳ないやろ?」 セーラ(これ認めたようなもんやないん?) 浩子(認めましたね) 竜華「そ、そーや!怜、言ってやり」 怜「借りただけや」ドヤァ 泉「アカンでしょう!?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4480.html
美幸(朝起きたら「許される能力」が身についていたよもー) 美幸(何を言ってるか自分でも分からないよもー) 美幸(けどこれを使えば全裸でいても「許される」ってことだよね!) 美幸(……ふへへ) 美幸(よっしゃー!私の時代だー!!) 美幸(今までは……) 澄子『ありえないですよ先輩、早く服を着てください』 友香『先輩の裸なんて見ても嬉しくないんでー……貧乳だし』 莉子『あの、その……早く服着てください、お願いですから……』 京太郎『下品ですよ椿野先輩……良家のお嬢様がそれじゃあ示しがつかないですよ』 梢『まったく、あなたはどうしてそうなんですか』 梢『いつもいつも私に迷惑ばかりかけて!』 梢『言い訳なんて聞きたくありません!』 梢『さっさと……服を……着なさーいっ!!!!』 美幸(……ふふふ、むふふふ!!) 美幸(ついに、ついに今までの不遇ともおさらばだよもー!!) 美幸(よっしゃー!テンション上がってきたー!!) 美幸(行くぞ!部活ー!) ―部室― 美幸「おっはよー!」 澄子「おはようございます、先輩」 美幸(ふむふーむ、まずは澄ちゃんで実験してみるか) 澄子「椿野先輩、今日も頑張りましょ……ってええっ!?」 美幸「ふんふふーん」 澄子「ちょ、何でいきなり服を脱ぐんですか!?」 美幸「ふふ、どう?澄ちゃん、私のか・ら・だ」 澄子「そんなの知りませんよ!早く服を着てくださいぃ!」 美幸「嫌だよー、ベー、だ!」 澄子「も、もう許さないですよ!!」 美幸「……今だ」 澄子「え……?」 美幸「許せっ!!!!!」 澄子「な、なっ!?」 美幸(ふふふ、今こそこの能力を試すとき!) 美幸(さあ、見せてよその力を!) 澄子「う、うわあああ!!」 美幸(……どうなったの?) 美幸「ねえ、澄ちゃん?」 澄子「あ、はい……」 美幸(……) 澄子「何ですか、先輩?」 美幸「す、澄ちゃん?……怒らないの?」 澄子「怒る……?何を怒るんですか?」 美幸「い、いや……私が全裸になってることだよ」 澄子「全裸……?ああ、別に問題ないですよ」 美幸「……許すの?裸になってる事」 澄子「……許しますよ、どうぞ全裸にでも何でもなってください」 美幸「お、おおおおおお!!」 澄子「な、何ですかいきなり……」 美幸「あ、うん……いや、何でもないよもー」 美幸(きた、きたきたきたきたよもー!!!) 美幸(イケる、使えるじゃんこの能力!) 美幸(もうこれで五月蠅く言われることもなくなる!!) 美幸(やったぁー!) 美幸「もー!!(歓喜)」 美幸「もーももー、ももももー」 美幸(さあ、次は誰に能力を使っちゃおうかなー) 友香「おはようでー」 莉子「おはようございます……」 美幸(むほっ、1年生コンビだよもー) 友香「って美幸先輩!?なんでいきなり全裸なんでー!?」 莉子「あ、朝から飛ばし過ぎです……///」 美幸(……まあそういう反応になるよねー) 美幸「どう?私の身体?興奮するでしょ?」 美幸(私としてはもうちっと違う反応を……) 友香「何してるんでー、先輩」 友香「そんな貧相な身体を見せられても、何にも嬉しくないんでー」 美幸「ぐっ」 友香「せめて私くらい胸がないと……」ボイーン 美幸「ぐは」 友香「情けない胸、恥ずかしくないの?」 美幸「ぶはっ」 莉子「ゆ、友香ちゃん……言いすぎだよ」 莉子「確かに先輩は貧乳露出狂だけど、いくらなんでも酷いと思うな」 美幸(おい、おい) 美幸(その胸でそれを言うのか、それを) 美幸(私より無いじゃん、もー) 美幸「……」 友香「ん、美幸先輩?もしかして怒ってる?」 美幸「当たり前でしょ」 友香「ふ、弱者の哀れな姿を見るのは楽しいんでー」 美幸「ぐ……もおおおおおおおおおおお!!」 莉子(ちょ、先輩が友香ちゃんに飛びかかった!?) 友香「ふん、いい機会だからお仕置きしてやるんでー」 美幸「もおおおおお!!」 友香「でえええええ!!」 澄子(大小関係なく、胸の話をする奴は死ねばいいと思う今日この頃……) 澄子(そんな私は依藤です) 美幸「ぐ……離せよ、もー!」 友香「ふふーん、離せと言って離すやつが居るわけないんでー」 美幸「この……奇乳野郎!カエル口!すぐ股開く癖に!」 友香「……哀れでー、ついに悪態を突き始めるなんてね」 友香「今の状態で私を怒らせるとどうなるか分からせてあげるんで―!!」 グキッ 美幸「いああああああ痛いあああああああ!!」 美幸「関節!関節はNGだよもー!!」 友香「もう許さないんでー」 友香「いい機会だから、反省するまでお仕置きタイムでー!」 友香「そーれっ!!」 美幸「あああああ痛いぃ!!痛いよもー!!」 美幸「莉子……莉子ちゃん、だずげでー……」 莉子「いいぞぉ!もっとやっちゃえ、友香ちゃん!」 友香「任せるんでー」 グキッ 美幸「あ、くぅ……ふんぬ……」 莉子「うんうん、その調子だよ」 莉子(痛みを必死に堪えようとする美幸先輩は可愛いなぁ……) 莉子(私って、歪んでるよね……やっぱり) 莉子(でもしょうがないよね……何もかも政治が悪いんだよ政治が) 友香「さあ、次は折っちゃおうかなー」 美幸「ちょ」 美幸(く……そろそろ、かな) 美幸「ゆ、友香……『許して』、お願いだよもー……」 友香「ふん、簡単には許さない……ってあれ」 美幸(計画通り……!!) 莉子「あ、あれ?友香ちゃん?止めちゃうの?」 友香「うん……美幸先輩が謝ったし許してあげようかなって」 莉子「え、ええ……?」 莉子(さっきまで「絶対に許さない」的な感じだったのに……) 友香「痛い事してごめん、先輩」 美幸「あ、うん……いいよ」 友香「ちょっと顔洗ってくるんでー」 美幸「行ってらー」 美幸(さあ、邪魔な友香も消えたことだし……) 美幸「莉子ちゃん、どこに行こうとしてるのかな?」 莉子「あ、えと……ちょっと牧場で乳搾りをしようかなって」 美幸(こいつ……まだ煽ってるよもー!!) 美幸「自分だけ手を汚さずに逃げようなんてさ、虫が良すぎるよね」 莉子「……はい」 美幸「そこに座って」 莉子「……はい」 美幸「覚悟は出来てるよね」 莉子「……はい」 美幸「最後に何か言いたいことは?」 莉子「……私は悪くありません、何もかも政治が」 美幸「さよならー」 莉子(安らかに、逝けるよね……) 澄子(兼役……羨ましいですね) 澄子(私の中の人が兼役をすることになれば……私も再注目されるのでしょうか) 澄子(あ……私は依藤です、よろしくです) 美幸「ふいー、疲れたよもー……」 美幸「暑っ、汗で身体がビショビショだよ……」 美幸(でも全裸なら服が汗でぐしょぐしょになることもない!) 美幸(困るんだよねー、色んな物が張り付くから) 美幸(その点、全裸って素晴らしいよね!) 美幸(生まれたままの姿だし、何か原始にタイムスリップしたみたいな!?) 美幸(うーん、ロマンがあっていいね!) 美幸(やっぱり全裸がナンバーワン!) 美幸(次は校外に飛び出してみようかなー) 美幸(目指せ!全裸でインハイ出場!) 美幸(もー!) 京太郎「おはようございます……って、うわぁ」 梢「おはよう、皆さん……」 澄子「おはようご美幸「おっはよー!」 京太郎「……またですか、椿野先輩」 美幸「??、何かおかしいことがあるの?」 京太郎「全部おかしいですよ、はぁ……」 京太郎「梢さん、どうしますか?」 梢「どうするも何も、早く何とかしてください……はぁ、また頭痛が」 京太郎「分かりました」 美幸(ふふん、かかってきなさい!私には「許される能力」があるっ!) 京太郎「とにかく、服を着てください……椿野先輩」 美幸「んん?よく聞こえないなー」 京太郎「……」イラッ 美幸「もう1回言ってくれる?ん?」 京太郎「……もう許さないですよ、本気で」 美幸(はいドーン!) 美幸「『許して』!須賀くん!お願いだから」 美幸(ふふーん、これで大丈夫だよもー) 京太郎「……そんな態度で許すわけないじゃないですか」 美幸「」 京太郎「梢さん、どうしましょうかこの人」 美幸(……あ) 美幸(あ、あれえ……?) 美幸(おっかしいなぁ……) 美幸(も、もう1回!!) 美幸(今度は泣き真似も追加で……ようし) 美幸「ご、ごめぇんなさぁい……『許して』くださぁい……うぅ」 美幸(今度はイケるはず……) 京太郎「そんな嘘泣き、まったく心に響きませんよ」 美幸「」デデドン 美幸(な、なんで……) 梢「須賀くん?」 京太郎「何ですか、梢さん」 梢「……今から3人で、ある所に向かいます」 京太郎「ある所……?どこですか?」 梢「お楽しみです……ふふふ」 京太郎「そうですか……ふふふ」 美幸「え、ええっ!?」 京太郎「さあ、行きますよ……先輩!」 美幸「や、やだ!待ってよ2人とも!」 梢「つべこべ言ってないで、早くしなさい……須賀くん」 京太郎「はい、ほら!こっちですよ!」 美幸「ちょ、やだ!やだやだ!!『許して』2人とも!何でもするから!」 京太郎「何でもしなくていいから(良心)」 梢「黙ってついて来ればいいんです」 美幸「ぐ、誰か……誰か助けてー!!」 美幸(って、他に誰も居なかった……ぐすん) 美幸「う、うわーん!!ごめんなさーい!許してー!!」 澄子(お茶美味しいです……) 澄子(何で許される能力が消滅したのか?) 澄子(そこはご都合主義ってやつですよ、うふふ……) 澄子(さあ、練習を始めましょうか) 澄子(あ、私は依藤って言います、よろしくお願いしますね) 終われ
https://w.atwiki.jp/kyo3nen/pages/220.html
『いよいよAブロック準決勝戦の開始です! 決勝に進めるのは二校のみ……はたして残り一つの枠に嵌まるのはどこだ――!?』 健夜『あの、二校のみって言った直後に残り一つってどういうことなのかな?』 『だからさぁ、例年通り白糸台の進出はほぼ確定として――』 健夜『ちょっ、まだ始まったばっかりなのにそういうこと言っちゃう!?』 久「始まったわねぇ、準決勝」 まこ「奈良の阿知賀は順調に勝ち進んどるの」 久「ここが正念場ね。白糸台はもちろん、千里山と新道寺だって紛れもない強豪だもの、本当に」 まこ「実感こみこみじゃな」 久「蓋を開けてみれば、勝ち進んでるのって知り合いのいる高校ばかりなのよね」 まこ「たしかに……にしても、昨日なにかあったんかい」 久「あら、どうして?」 まこ「顔に出とるわ」 久「そう? どんな顔してる?」 まこ「明らかに浮かないっちゅー感じじゃ」 久「そっか、そんな顔してたんだ……」 久(ならあいつはどんな顔してるのかしらね) 久「ちょっと散歩行ってくる」 まこ「朝御飯は?」 久「適当に済ませとくから……初体験でナイーブになってるみたい」 まこ「……は?」 久「あ、Aまでだから大丈夫よ。じゃ」バタン まこ「……そうでなくても爆弾発言じゃろうが」 咲「……んぅ」ゴロン 和「……」スースー 優希「もうくえないじぇ……」ムニャムニャ まこ「もし聞かれとったら軽い修羅場じゃな」ハァ 京太郎「ふぅ……もう朝か」 京太郎「まったく眠れなかったな……」 京太郎「それもこれも自業自得だって話だけど」 京太郎「にしたって、昨日は色々ありすぎたよ」 『あなたに、愛されたい……』 京太郎「……俺みたいなやつのどこがいいんだかな」 京太郎「なんてぼやいても仕方ない、か」 京太郎「やってしまったことは変えられないんだから」 京太郎「いっそ開き直れたら楽なのに……」 京太郎「あー、やめやめ! ちょっと走ってくるか」 京太郎「うあー、暑い」パタパタ 京太郎「あんまり走ってないのにこの汗……着替えたい」 京太郎「ハンドやめてから、走り込みとかあんまりしなくなったしな」 京太郎「……やめよう、また気分が沈みそうだ」 小蒔「あ、京太郎様を発見です」 京太郎「……探してたのか?」 小蒔「お散歩してたらなんとなく会えそうでしたから」 京太郎「なんとなく、ね」 小蒔「はい、なんとなくです」 京太郎「ちゃんと言って出てきたのか?」 小蒔「書置きを残してきたから大丈夫です!」 京太郎(あ、これ絶対騒ぎになってるパターンだ) 京太郎「まぁ、ほどほどに戻っとけよ」 小蒔「私は大丈夫ですよ?」 京太郎「他のやつが心配するだろ」 小蒔「みんな心配性なだけです」 京太郎「まあ、そう……なのか?」 小蒔「むぅ、否定してくれないんですか?」 京太郎「まぁ、小蒔はぽやぽやしてるからな」 小蒔「そ、そんなことありませんっ」 京太郎「はは……それで――」 小蒔「霞ちゃんのことですか?」 京太郎「……聞いたのか?」 小蒔「いえ、でも感じました」 京太郎「そうか……」 小蒔「京太郎様は、また無茶をしたんですね」 京太郎「俺はさ、自分のしたいことをしてただけだ」 小蒔「それでも、私は……」 『――っと、ギリセーフ……大丈夫か? お転婆姫さんよ』 小蒔「二年前のあの日、京太郎様が受け止めてくれたことを忘れません」 京太郎「小蒔、まさか……」 小蒔「一年前のあの日、私を止めてくれたことも」 小蒔「関節キスは好きな人と、本当のキスは契りを結んだ殿方と」 小蒔「京太郎様が嫌われようとしたってダメです」 小蒔「だって私はあの時に感じた運命を信じてますから」 小蒔「途中でなにがあっても、最後には絶対結ばれると」 小蒔「だから、私はずっと味方です。京太郎様が何をしても、誰に嫌われようと」 京太郎「……まいったな、全部思い出したって感じか」 小蒔「愛のぱわーです」 京太郎「愛か……でも、俺は相当ひどい奴だぞ?」 小蒔「それでも、私の答えは変わりません」 京太郎「そうか……なら、俺も答えを出せるようにしないとな」 京太郎(そうだ。ずっとあの言葉が、言えなかったことが引っかかってる) 京太郎(それを吐き出すために、照ちゃんに会いに……) 京太郎「行ってくるよ」 小蒔「はい」 和「うぅん……あれ、もうこんな時間ですか」 まこ「ようやっと起きた。もう向こうの準決の先鋒戦が終わるとこじゃな」 和「そうですか……え? ゆ、ゆーき!」 優希「だからもう食べられないとあれほど……」 和「は、花田先輩、花田先輩ですよ!」 優希「なぬっ!?」ガバッ まこ「なんじゃ、知り合いか」 和「中学校の時の先輩で」 和(それに、玄さんも……)チラッ 優希「こうしちゃいられないじぇ……のどちゃん、行くじょ!」 和「ちゃんと着替えてからです!」 まこ「一気に騒がしい……それ以外にも驚くことはあるじゃろうに」 咲「ん……もう朝?」 『先鋒戦終了――! まさかの白糸台、チャンピオンの大失点だー!』 咲「え……お姉、ちゃん?」 優希「着替えよし、タコスよーし!」 和「準備できましたね」 優希「てなわけで出発――」 咲「待って!」 咲「私も、私も行く!」 優希「よーし、じゃあ40秒で支度するんだじぇ」 咲「ええっ」 和「こらっ」 優希「冗談だじぇ」 『先鋒戦終了――! まさかの白糸台、チャンピオンの大失点だー!』 菫「……」 「やっぱ……まずいですねよね、これ」 「宮永先輩、明らかに気が入ってなかった……」 菫「いや、問題ない。その分私たちが稼げばいいだけの話だ」 淡「そーそー、たかが満貫五個分じゃん。私だけでひっくり返しちゃうよ?」 「こういう時の淡の調子に乗りっぷりは実に頼りになるなぁ」 淡「なんたって高校百年生の実力だしね!」 「よーし、じゃあ今度また山をまるくして打ってみようか」 淡「あわっ、そ、それはどうかと思うけどなー?」 「……でも、決勝もこの調子だとさすがに」 菫「なに、心配はいらないさ。今日はたまたま調子が悪かっただけだろう」 「そうだといいんですけど」 菫(照……本当に何があったんだ?) 優希「のどちゃーん、咲ちゃーん、こっちだじぇー」 和「も、もうちょっとペースを……」ハァハァ 咲「優希ちゃん走るの速い……」ハァハァ 優希「そのかいもあって到着だじぇ」 和「ええ、ここに花田先輩と……」 咲「……二人とも、私、お姉ちゃんに会ってくるから」 和「わかりました。頑張ってください」 優希「ばっちしかましてくるといいじぇ」 咲「いや、多分かまさないと思うけど」 優希「ともあれ、相手は大魔王。覚悟していくといいじょ」 咲「あのね? 私のお姉ちゃんだからね?」ゴゴゴ 優希「総員退避ー!」 和「ふざけてないで行きますよ」 咲「うん……それじゃ」 優希「さ、花田先輩にタコスを届けてくるじぇ」 和「もう試合は終わってしまったみたいですし」 優希「寝坊しなきゃ先輩の勇姿が見れたんだじぇ」 和「それはもう仕方ないですよ。せめて先輩に挨拶だけでもしましょう」 優希「おっけー」 穏乃「あれ……和?」 和「穏乃……」 玄「わわっ、和ちゃん……成長してる」ワキワキ 憧「ちょっとは自重する」ペシッ 玄「はうっ」 和「憧に、玄さんも」 憧「私たちも全国に来たよ。和もきっと来るって思ってたから」 玄「インターハイ……まだ見ぬおもちもきっと!」 憧「はいはい。でも玄はそれだけじゃないんでしょ?」 玄「そ、それはなんといいましゅか……」モジモジ 和「?」 灼「軽い疎外感」 宥「クロちゃんたち、楽しそう」 優希「うんうん、わかるじぇ」 照「……初めてだな、あんなに失点したの」 照「普通の試合だったら飛んじゃってたよね……」 照「菫、みんな……ごめん」 照「でも、私にはもう……」 咲「お姉ちゃん!」 照「咲……」 咲「私、全国まで来たよ?」 照「知ってるよ」 咲「それに、京ちゃんだって」 照「……」 照(そして、上埜久も……) 咲「私、京ちゃんもお姉ちゃんも恨んでた」 咲「みんな、私を置いていなくなって、お父さんと二人で残されて」 咲「私にお姉ちゃんなんていないって思おうとしてた」 咲「でも、無理だったの」 咲「京ちゃんが久しぶりに会いに来て、拒絶しようとして、思い出しちゃったから」 咲「私、お姉ちゃんと――」 照「やめて」 照「私にはなにもない……ここにいる理由だって、なくなっちゃった」 照「だからもう……かまわないで」ポロポロ 咲「お姉ちゃん、待って!」 照「また、迷子……」 照「でも、どこだって一緒」 照「空っぽになった私がどこにいたって……」 京太郎「よっ、また迷子か?」 照「――っ」 京太郎「目、腫れてんな。夜更かしでもしてたのか?」 京太郎「ほら、こんなに――」 照「やめて、触らないで」 京太郎「照、ちゃん?」 照「私に幼馴染なんていない」 『照ちゃん、一緒に帰ろうぜ』 照「私は約束なんてしてない」 『じゃあ、夏の大会で三連覇。これでどうだ』 照「私に……」 『俺も、照ちゃんって呼ばせてもらおうかな』 照「好きな男の子なんて、いない」 京太郎「……」 照「だから……もう、関わらないで」 京太郎「……なんだろうな、もしかしてとは思ってたけど」 京太郎「そうか、俺はやっぱり恨まれてたのか」 京太郎「正直……キツいな」 京太郎「照ちゃん……」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/726.html
俺は今、岩手に来ている、俺は照ちゃんに勇気をもらった。 だからもうちょっと頑張れる……頑張れる気がした。 そして宮守女子高校に着く、俺が居たときとはやっぱり違うんだな。 ともかく校門を潜って麻雀部に顔を出す。 ???「ダレ?」 京太郎「エイスリン先輩?」 エイスリン「?」 京太郎「あ、あの俺、ちょっとここに用事があって。」 エイスリン「オキャクサン?」 京太郎「まぁ、そんなところです。」 本当はお客さんと言うのも憚られる、元々俺はここにいたので客と言うより家人に近いのだが…… 塞「あれ?誰?」 エイスリン「オキャクサン!」 塞「そうなの?」 俺を支えてくれた人が居た。 京太郎「須賀京太郎です。」 塞「初めまして、臼沢塞です。」 京太郎「……こちらこそ。」 照ちゃんでわかっていたはずなのにな。 やっぱり辛いな…… 塞「あの、どこか具合が悪いんですか?」 京太郎「……いえ、大丈夫ですから。」 シロ「ん……」 塞「あ、シロ。」 京太郎「こんにちは。」 俺が迷った時に道を教えてくれた人が居た。 多分この人も覚えていないだろう、何よりそういうことが煩わしいと思うような人だ。 シロ「ちょっと失礼……」 この人はいきなりこっちにやってきて、こともあろうか俺の背中に登り始めた。 塞「ちょ!?ちょっと!?シロ!?」 シロ「凄くフィットする……」 京太郎「……そうですか。」 体のダル気はどうやっても変わらないようだ。 まったくこの人と来たら…… 半ば呆れ気味だったが嬉しかった。 心のどこかに、体の記憶に、少しでも俺のことが残っていたのかと思うと。 胡桃「こんにち……わっ!?」 トシ「おやおや珍しい人が来たもんだねぇ。」 豊音「えー?どうしてシロが男の人に乗っているのー?」 俺と手を繋いでくれる人が居た。 京太郎「その、成り行きで?」 シロ「私の体が彼の体を必要しているの。」 胡桃「!?」 豊音「か、過激だよー!」 京太郎「ちょ!?シロさん!?誤解を招くような言い方はやめて!」 トシ「ちょっと見ない内にとんだことになっていたみたいだねぇ。」 塞「この人は熊倉先生の知り合いなんですか?」 トシ「知り合いと言えば知り合いかねぇ?」 京太郎「!?」 トシ「ただ、最近歳を取ったせいか物忘れが酷くて……」 京太郎「…………」 相変わらずよく分からない人だ。 トシ「ただあんたたちが打てば思い出すかも……」 塞「それじゃあ私が入りますね。」 シロ「ダルいけど仕方ない……」 豊音「私も打つよー!」 この人たちと打つのはいつ振りだろうか。 一緒に卓を囲んだのはいつ振りだろうか。 そんな事を思い出すより先に今を楽しんでおきたいと思ってしまった。 シロ「よろしく……」 塞「よろしくね。」 豊音「よろしくだよー!」 京太郎「よろしくお願いします。」 いつものように打ち、いつものように本気で能力を使って当たりあい。 まるであの日が戻ってきたようだった。 「「「「ありがとうございました。」」」」 トシ「どうだい?何かわかったかい?」 塞「なにか前に打ったことあるような気が……」 シロ「ダルい……」 豊音「京太郎君と打ってると楽しいよー」 胡桃「それで熊倉先生、この人は誰なんですか?」 トシ「ああ、こいつはね、私の放蕩息子みたいなものさ。」 トシ「あとついでに放浪癖もあるねぇ。」 トシ「そんな勘当同然な息子は今まで忘れてしまっていたわ。」 京太郎「ひっでぇ……」 絶対この人は最初からわかっていた。 その上でとぼけて打たせたのだ。 本当に食えない人だ…… 豊音「でも、京太郎君と打つのは楽しかったよー。」 そう言って豊音さんは椅子から立ち上がろうとしてふらついた。 気付いたら手を伸ばしていて、豊音さんの手を掴んでいた。 初めて豊音さんと会ったあのときのように。 京太郎「危ない危ない。」 豊音「あ、ありがとー」 豊音「やっぱり京太郎君はいつも私を助けてくれるんだー。」 京太郎「俺の事を思い出したんですか……?」 豊音「だって初めての友達だもん……」 シロ「おんぶ……」モゾモゾ 塞「また!?」 シロ「だって京太郎は『いつでも背中を貸す』って言ってたし。」 京太郎「!?」 京太郎「シロさん……いつから思い出してたんですか?」 シロ「さて、いつからでしょう……」 この人もなんだかんだで食えない人だった…… エイスリン「…………」カキカキ エイスリン「キョータロー!コレ!」バッ そういえばさっきからエイスリン先輩が何か描いてたな。 京太郎「これ……って。」 エイスリン「ミンナ、イッショ!」 俺を含めて宮守のみんなが道を歩いている絵を見せてくれた。 あの時描いてくれた絵と瓜二つだ。 京太郎「そうですね、みんなで帰りましょう。」 胡桃「??」 トシさんがみんなを引き連れて道を行く。 道に怖いものがあるなら胡桃先輩が隠して。 道が無いならエイスリン先輩がそこに道を描いて。 道がわからないならシロさんが道を決めて。 道に穴があるなら塞さんが塞いで。 そうやって道が続いたなら豊音さんに手を引いてもらう。 豊音さんは俺が豊音さんを救ったと思っているみたいだが…… 「京太郎君と手を繋げると、ちょーうれしいよー!」 やっぱり、救われたのは、実は俺の方だったみたいだ。 【もう一度、描いて紡いだ道】 京太郎(宮守)・豊音「「もういっこカン(だよー)!」」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6454.html
53日目- 朝- 京太郎「ふぅ……朝か」 京太郎「ちょっと出てくるか」 京太郎「さて、どうすっかなぁ」 京太郎「アスファ~ルト、タイヤを♪」 キキー! 京太郎「なんだっ!?」 智美「ワハハ、須賀じゃないかー」 京太郎「う、蒲原さん!」 智美「私の車なんだけどな……あ、今日は暇かー?」ワハハ 京太郎「え、今日ですか……」 智美「ワハハー、なら良かった、海に行かないか?」 京太郎「海、ですか?」 智美「日帰りのつもりだから安心して良いぞ、それにモモたちも来るしな」 京太郎「なるほど……」 京太郎(加治木さん、モモ、津山さん、妹尾さん……) 京太郎「みなさんの了承が頂けれたら……行きます!」クワッ 智美「そうかー別にみんな良いって言うと思うけどな、なら乗ると良いぞ、須賀君の家まで送って行くから」 京太郎「ありがとうございます」 助手席に乗り込む 智美「いくぞー」ワハハ キキーッ 京太郎(自宅まで行った後、荷物持って鶴賀まで来たけど、蒲原さんの車慣れたなー)バタンッ 智美「ワハハ、須賀を連れて来たぞー」 加治木「須賀君、今日はよろしく」 京太郎「いえ、こちらこそ!」 モモ「京さん!」ガバッ 京太郎「ぐおっ、落ち着けモモ!」 モモ「まさか京さんが来てくれるとは思いませんでした!部長さんもたまにはやるっす!」 智美「おいモモ」ワハハ 佳織「須賀君、今日は一緒に楽しもうね!」グッ 京太郎「はい、メガネ気を付けてくださいね」 佳織「わ、忘れてた」 睦月「よろしく頼むよ」 京太郎「はい、この中じゃ一番最後に会ったのって睦月さんですからね」 睦月「まぁ、そうだね」カァッ モモ「ど、どういうことっすかー!?」 京太郎「いや、コンビニで」 モモ「あ、あぁそういうことっすか!」ホッ 京太郎「さて、どこに座るか……」 京太郎「後ろに乗るかな」 ゆみ「じゃあ、私が須賀君の隣に座ろうか」 佳織「じゃあ助手席に座ろうかな」 京太郎「死傷率が一番高いそうですね」 佳織「ふぇっ!?」ビクッ 睦月「須賀君、あまり佳織を怖がらせないでやってくれ」 京太郎「はは、すみません」 佳織「だ、大丈夫!だよね!?」 智美「安全運転するぞー」ワハハ モモ(京さんの隣、今から良いと言える状況じゃない、なら海まで待つっす!) ゆみ「さて、海まで隣だがよろしく」 京太郎「はい、よろしくお願いします!」 車内- 京太郎「海って結構早い時期ですよね~」 ゆみ「県予選前に息抜きをしないとな、張り詰めすぎてもつぶれてしまうだろうし……」 京太郎「なるほど、確か今日熱くなるって言ってたし丁度良いのかもしれませんねー」 ゆみ「あぁ、モモも良くやってくれている」 京太郎「そうですね、ホント加治木さんには感謝してますよ」 ゆみ「君がうちの高校にいればもう少し早く見つけられたんだろうけれど」 京太郎「まぁ、しょうがないですよ」ハハッ ゆみ「それにしても、高速道路だと蒲原の運転もそれほど荒く思えないな」 京太郎「それは確かに」 モモ「京さん、ポッキーゲーム!」 京太郎「しねぇよ!」 ゆみ「付き合ってやったらどうだ?」 京太郎「加治木さんまで、やめてくださいよ恥ずかしい!」 モモ「恥ずかしくなかったらありっすか!?」 京太郎「無しだよ!」 モモ「じゃあこのメンバーの中なら誰としたいっすか!?」 睦月「桃子!」 京太郎「じゃあ、モモかな」 モモ「へ?」カァァッ 京太郎「だってこの中じゃ一番親しいし」 京太郎(それに俺のこと好きだって言ってくれたしな) 睦月「ん、桃子?」ユサッ モモ「」 睦月「ダメだ、伸びている」 睦月(幸せそうな顔して) ゆみ「どうしたんだ?」 京太郎「さぁ?」 京太郎(時間、結構掛かるんだなぁ) モモ「んぅ」zzz 睦月「ん……」zzz 京太郎(蒲原さんは、妹尾さんと話してるみたいだし、大丈夫そうだな) コツッ 京太郎(あれ、加治木さん寝てる……) 京太郎(そっとだな)スッ ゆみ「ん」コテンッ 京太郎(髪、さらさらだな)ナデナデ 佳織(二人とも寝ちゃってる……あれ、須賀君と加治木先輩、な、ななななにしてるの!?)カァァッ 蒲原(たぶん膝枕だろうな、ワハハ)チラッ 海- 京太郎「おぉ……思ったより人多いですね」 ゆみ「ほ、本当だ、意外だな!」 ゆみ(ダメだ、意識してしまうッ) 睦月「私たちと同じような考えの人が結構いたみたいですね」 蒲原「ワハハ、まぁ良いじゃないか」 モモ「さて、遊びますか」 佳織「そうですね!」 京太郎「さて、レジャーシート敷いて、パラソルを……刺す!」ザクッ ゆみ「だがこうなると荷物番が必要になるな、ここは私が」 京太郎「いえいえ、俺がやりますよ、加治木さんはみんなと遊んできてください」ニッ ゆみ「いや、私が」 京太郎「いや俺が」 京太郎「いえ、俺は荷物番を引き受けます!」 ゆみ「しかし!」 智美「良いじゃないかー行けよユミちん」ワハハ ゆみ「わかってやってるだろ!」 智美「ワハハー」 京太郎(みんなの水着良いなー) 睦月「私も一緒に残ろう」 京太郎「ん、良いんですか?」 ゆみ(その手があったか) 睦月「須賀君と話してみたいこともあったし」 智美「なるほどなーじゃあ行くぞー!」ワハハ ゆみ「離せ蒲原!」 モモ「あっ、待ってくださいっす先輩ー!」 佳織「もー早いよー」 京太郎「なんかすみません」 睦月「ん、大丈夫だよ、私は私で色々と気になることあったし」 京太郎「気になることですか?」 睦月「プロ麻雀せんべい、小鍛冶健夜当たった?」 京太郎「あーなるほど、俺も小鍛冶さんは中々……藤田プロなら余ってますよ」 睦月「それは私も余ってる」ハハッ 京太郎「それにしても以外です、なんか硬派なイメージあったんで」 睦月「ん、そうかな?」 京太郎「まぁ、気のせいだったみたいですけど」 睦月「なんだかそれはそれで微妙だな」 モモ「京さん!むっちゃん先輩!」 睦月「ん、どうした桃子?」 モモ「飲み物買いに行こうっす!」 京太郎「ん、そうだなー、睦月さん行ってきます」 睦月「ん、お願い」 店員「1000円からお預かりしまーす、おつり100円になります」 京太郎「ん、戻るか」 モモ「はいっす!」ビシッ 京太郎(ビキニのモモは眼に悪い……保養ではあるけど) モモ「まさか京さんと海に来れるとは思わなかったっすよ」 京太郎「まぁ俺も鶴賀のみんなと来るとは」 モモ「結構気に入られてるんっすから自信もってください……ちょっと嫉妬しますけど」ジトー 京太郎「うっ……す、すまん?」 モモ「まぁ京さんとは友達なんで特に謝る必要も無いと思いますけど」 モモ「ふふ~ん♪」 京太郎(ちょっといたずらしてみるか)スッ ピタッ モモ「ひゃんっ!?」ビクッ モモ「な、なんっすか!?」バッ 京太郎「あ、ちょっ、今のジュースで」 京太郎(あ、ビキニの紐が……) モモ「~~~~っ!?」バッ 京太郎「……」スッ 京太郎(ま、前のめりになってしまった……これは引かれる……) モモ(す、ステルスして……お、落ちたビキニを京さんに背中を向いてから拾って……付ける……)スッ 京太郎(やばい、なんて言って良いかわからん) モモ(うぅ、これって、京さん興奮してくれたってことっすよね?)カァァッ 京太郎(うぁぁ~どうしようっ) モモ「さて、い、行きましょうよ京さん!」 京太郎「そ、そうだな!」スッ モモ(今のは、何も無かったっす!) 京太郎(特になにも無い、何もないんだ!)カァッ モモ(で、でもこれで“いざって時”にも大丈夫ってわかったっすね……いざって時ってなんっすかぁ!)カァァァッ 京太郎「お、お待たせしましたー!」 桃子「帰還しましたっす!」 睦月「お帰り、次はどうせなら京太郎も行って来たらどうかな?」 智美「むっきーも行って来て良いぞー」 ゆみ「そうだな、私は疲れた」 佳織「泳げないなんて知りませんでした!」 ゆみ「グフッ」 京太郎「じゃあお言葉に甘えて……」 京太郎「さて、行きましょうか!」 智美「よし、行くぞー須賀」ガシッ 京太郎「うおっ、背中にくっつかないでくださいよ!」 京太郎(おもちと肌が、体に当たる!) 智美「海へ走れ須賀ー!」ワハハ 京太郎「えぇいままよ!」ダダダッ モモ「あーずるいっす!」 睦月「まて桃子、準備運動ぐらいさせろ!」 昼過ぎ- 京太郎「いや~疲れましたね」 ゆみ「そうだな、ずいぶん遊んだ」 智美「もう昼も過ぎたからなーワハハ」 京太郎(女子高生五人と男子高生一人でファミレス、これは勝ち組の予感) 佳織「近くに食べるところがあって良かったですねー」 智美「帰りはどうするかー」 京太郎(どうするか) 京太郎「助手席で良いですか?」 智美「寝ないで私の相手してくれよー?」ワハハ 京太郎「まぁ、蒲原さんの相手ならいつまでもできそうなんで」ワハハ 智美「わ、ワハ……!?」カァッ モモ(きょ、京さん、なにやってるんっすかぁ!) 車内- 京太郎「それにしても、みんな寝ちゃいましたねー」 智美「ワハハ、そうだな、みんな楽しんだみたいだからなー」 京太郎「蒲原さんも疲れてるでしょ?」 智美「まぁ、パーキング寄るか?」 京太郎「そうですね」 キキー 京太郎(安定の急ブレーキだなぁ) 智美「みんなートイレとかは大丈夫かー?」 ゆみ「ん、大丈夫だ」 モモ「私もっす~」 睦月「私もです」 佳織「うん~」 智美「……みんな寝ちゃったな」 京太郎「ちょっと買い物にでも行きますか」 智美「そうだなー」 京太郎「飲み物買ってきましたー」 智美「ん、車の中でそれ飲めばいいだろうから、こっちはこっちで買うか~」ピッ 京太郎「じゃあ俺はコーヒーを」ピッ 京太郎「県予選の件なんですけど」 智美「須賀のとこ、龍門渕は去年のダークホースだったから警戒されるだろうなー、それに比べてうちはノーマークだ」ワハハ 京太郎「でも、逆に勝ち進めばそれだけマークもきつくなりますよ?」 智美「まぁ、それはそれでおもしろいだろ、三年最後の夏なんだし楽しみたいな」ワハハ 京太郎「楽しむ、ですか」ゴクッ 智美「ん~、せっかく団体戦に出れるんだしなぁ、ワハハ!」 京太郎「……」 京太郎(いや、ダメだ……透華たちを勝たせたい、智美さんたちには、教えることはできない) 智美「ゆみちんはどう考えてるかわかんないけど、私は今回、むっきーやかおりんやモモに県予選を見せられればそれで良いと思ってるしなー」ワハハ 京太郎「……大将戦、やはりそこが大きな戦いでしょうね……」 智美「ん?」ゴクッ 京太郎「俺も一部員なんでそこまで深くはわかんないですけど、大将戦が相当ヤバいって思ってた方が良いと思います」 智美「なるほどなー、ゆみちんならどうにかできる気もするけどな」ワハハ 京太郎「信用してるんですね」 智美「私たちの大将だからなー」ワハハ 長野- 智美「さて、ついたなー」 京太郎「そうですね、智美さんと話せて良かったです」ニコッ 智美「ワハハ、また来い京太郎ー」 京太郎「はい」ガチャッ 智美「またなー」 京太郎「まさか自宅まで送ってくれるとは……」 夜- 自宅・自室- 京太郎「さて、どうするか」 京太郎「ネトマだな」 一人目 かまぼこ 二人目 SSS 三人目 シロ 京太郎「お、シロだ」 かまぼこ:よろしくな SSS:よろしく頼む シロ:よろしく キョータロ:よろしくお願いします トップ 京太郎 二着 SSS 三着 シロ ラス かまぼこ かまぼこ:ワハハ、負けたぞ シロ:でも、壁は高い SSS:そうだな かまぼこ:まぁ私の役目は勝つことじゃないからな SSS:ん? かまぼこ:次に繋ぐってことだな、ワハハ 京太郎「ん、ウィスだ」 かまぼこ:さすがだな京太郎は キョータロ:智美さんこそ かまぼこ:やっぱわかるかー キョータロ:ワハハって言ってますし かまぼこ:ワハハは気にするな キョータロ:了解です かまぼこ:京太郎とやっていると良い練習になるからな、また来いよーワハハ キョータロ:はい、ありがとうございます かまぼこ:おやすみ 京太郎「おやすみなさいっと」 京太郎「メールだ」 京太郎「誰から?」 京太郎「お、なにがあったか宮永姉妹と加治木さんだ」 差出人:ゆみ 本文『今日は別れの挨拶もできずにすまない』 京太郎「気にしなくても良いのに」 本文『いえ、楽しませてもらいましたから!』 差出人:ゆみ 本文『それなら良かった、また来てくれ おやすみ』 京太郎「ん、おやすみなさいっと」 差出人:照 本文『京ちゃん、もうすぐだね』 京太郎「ん、あぁ」 本文『行くとしたら一ヶ月先になりますよ?』 差出人:照 本文『旅行で来れば?』 京太郎「んな無茶な!」 本文『機会があれば行くかもしれません』 差出人:照 本文『うん、待ってる おやすみ』 京太郎「はやりさんと接触した淡のことも気になるしな~」ポチポチ 差出人:咲 本文『今週は合宿だったからいけなかったけど、また旅行言ってた?』 京太郎「合宿かぁ~」 本文『行ってたぞ!』 差出人:咲 本文『たまには長野でゆっくりしたら?体調崩しても知らないよ?』 京太郎「んなわけないだろ~……ん、なんかダルい気がする?」 本文『おう、気を付ける』 差出人:咲 本文『おやすみ!』 京太郎「おやすみっと」ゴホッ 加治木家・ゆみ部屋- ゆみ「ふん、男子とメールというのは初めてだな」フッ ゆみ「三年間で……はじめて……?」 (東京)宮永家・照部屋- 照「京ちゃん、来ないかな……」ギュゥ 照「淡のこととか考えてたら、怒ろう」ギュルッ 宮永家・咲部屋- 咲「もう京ちゃんったら……」 咲「本当に具合悪くなってないか心配だな~」ハァッ 自宅・自室- 京太郎「さて、そろそろ寝るかな」ゴホッ カピー「カピ」キョウハドウスル? 京太郎「すまん、寝る」パチン カピー「カピー?」ダイジョウブ? 53日目終了- 54日目- 朝- 京太郎「やべ、頭が痛い……39,8度か……」フラッ 京太郎「二人ともいないし……寝とくかっ」バフンッ カピー「カピッ」ダイジョウブ? 京太郎「だめ、そう……」 カピー「カピッ」ヤスミノレンラク! 京太郎「おう、透華とかに……おくる……」ポチポチ 京太郎「ん、冷たい……」 ハギヨシ「おや、起きましたか?」 京太郎「ハギヨシさん……」ボォー ハギヨシ「メールが来たときには驚きましたよ」 京太郎「すみま、せん……あれ、どうやって?」 ハギヨシ「ん、鍵はかかってませんでしたから入らせてもらいました、申し訳ありません」 京太郎「……いえ、助かりました、このタオル冷やっこくて」フゥ 京太郎(鍵しまってたと思うけど……) カピー「カピッ!」 京太郎(カピーが開けた?いや、まさかな~) ハギヨシ「寝ていてください、おかゆもそろそろできるでしょうから」 京太郎「ん、はい……」 ハギヨシ「お待たせしました、少しでも寝てましたか?」 京太郎「ん、ありがとうございます……」 ハギヨシ「私が話をしたらみなさん驚いていましたよ、夕方頃にはお見舞いに来るそうです」 京太郎「風邪、うつしちゃいそうですけど」 ハギヨシ「それでも、会ってあげてくださいね?」スッ 京太郎「はい……んぐっ……おいしい」 夕方- 京太郎「ん……ふぅ、すっかり良くなったな~」スッ 京太郎「ん、メモがある」 『私はこれでお暇しますね、おかゆは残っているのでお腹がすいたら食べてください、困ったときはまた連絡をください ハギヨシ』 京太郎「またハギヨシさんのお世話になっちゃったなぁ~」 ピンポーン 京太郎「ん、誰か来たのか?」 京太郎「おう透華」ガチャッ 透華「じゃんけんで来ることになりましたわ!」ビシッ 京太郎「おう、嫌なら帰って良いぞ~」 透華「お待ちになって!お待ちになって!」ナミダメ 京太郎「おうおうすまん、どうぞ」 透華「ええ!」 京太郎「どうぞ、お嬢様」 透華「え、えぇ……」キョロキョロ 京太郎「もうだいぶ治ったけどな」 透華「一応、おみやげですわ」 京太郎「ん?」 透華「わ、私が授業で作った……クッキー」 京太郎「まさか透華の作ったものを食べる機会があるなんてなぁ……」ケホッ 透華「治ってないじゃありませんの、ほら早く寝なさい!」ビシィッ! 京太郎「ん、悪いな」 透華「悪いと思ってるなら早く治しなさい」 京太郎「おう、明日は絶対行くからな」 透華「当然ですわ、私たちの新たな力を見せてあげたいのに」 京太郎「それは楽しみかもな~」 京太郎「透華、うちも久しぶりだろ?」 透華「そうですわね、中学に上がってからはめっきりですわ」 京太郎「ちょくちょく会ったりはしてたけど、そっちの方が多かったもんな~」 透華「ですわね」 京太郎「……」 京太郎「そう言えばお前、気になる男とかいねぇの?」 透華「ひぇっ!?」ビクッ アンテナ「」ビビクンッ 京太郎「なんて驚き方してんだよ、学生らしい話題だろ?」 透華「い、いないってことは……」 京太郎「うちのクラスの男とか目立っててイケメンだぞ」 透華「そ、そうですわねっ」 京太郎「俺もふくめて」キラッ 透華「きょ、京太郎だけですわっ」ボソッ 京太郎「おいツッコミ入れろよ、ていうかどうした?風邪うつったか?」 透華「そ、そうじゃなくて……」カァァッ 京太郎「ん?」 透華「そ、その、私は……きょ、京太郎のことがっ」 京太郎「ん?」 透華「京太郎のことが、気になって……す、好き、ですの」 京太郎「……え?」キョトン 透華「」フルフルッ 京太郎「……え?」 夜- 京太郎(あれから特になにか会話するでもなく、透華は帰ったわけだ)ウン 京太郎(だけど、どういうことだよあれ!)カァッ 京太郎「まさか、いや予想外も良い所だろまさか透華が、なんてな~」 京太郎「ネトマするかな」 一人目 トキ 二人目 かなちゃん 三人目 むっきー 京太郎「池田さんだ」 かなちゃん:今日こそ勝つし! トキ:なんや気合はいってんなぁ むっきー:よろしくお願いします キョータロ:よろしく! トップ 京太郎 二着 むっきー 三着 トキ ラス かなちゃん かなちゃん:今回最悪だし!!? トキ:なんもかんも政治が悪い むっきー:そうですかね? トキ:そや かなちゃん:許すまじ政治! むっきー:? 京太郎「さすが池田だな」 京太郎「池田、こりないなぁ」 かなちゃん:いい加減に風越来いよ!なんで来ないんだよ!キャプテンも待ってるぞ! キョータロ:え、じゃあ行きます かなちゃん:なんで私が誘っても来ないんだし! キョータロ:池田さんだし かなちゃん:ふざけんなし! キョータロ:池田だし かなちゃん:呼び捨てかよ!いい加減にしないとあたしの怒りも天元突破だかんな! 京太郎「あ、ログアウトした」 むっきー:その腕、あこがれるよ キョータロ:プロへの誘いも貰いましたから むっきー:それは初耳だよ京太郎君 キョータロ:あはは……え?あ、むっきー、なるほど むっきー:今度それについて詳しく聞かせてほしいな キョータロ:まぁ、はい、言ったの睦月さんがはじめてですから むっきー:嬉しいな、また鶴賀に来てくれ キョータロ:ありがとうございます、また! 京太郎「ログアウトした」 自宅・自室- 京太郎「さて、そろそろ寝るかなー」 カピー「カピ」ダイジョウブ? 京太郎「ん、ありがとな」ナデナデ カピー「カピ」ク、クスグッタイ 京太郎「おやすみー!」パチン 54日目終了- 55日目・朝- 京太郎「今週の土曜日は県予選だよな」ゴクリッ テクテクテク 京太郎「あ、透華」 透華「あ、京太郎」 京太郎(気まずい……) 透華(気まずい……) 京太郎「一緒に、行くか?」 透華「そ、そうですわね!」 授業- 京太郎「はぁ~」 男子M「奴はどうしたのだ?」 男子D「悩んでいるのだろう、今の自分のありように」 歩「次の授業は?」 京太郎「あれ、なんだっけ……?」 京太郎「うおぉぉぉ!」 教師「須賀君の料理なら世界を目指せるわ」 歩「はいはい」 昼- 京太郎「さて、昼はどうするか……」 京太郎「ん、男子D一緒に喰おうぜー」 男子D「友よ、君の頼みならば聞かない理由はないな」 京太郎「ところで、あの夜の後大丈夫だったのか?」 男子D「あぁ、覇亜都蘭土学園の味方が来てくれた」 京太郎「どこだそこ」 男子D「ところで私たちは男子麻雀部を結成しようとしてるのだが」 京太郎「いや、もうエントリーはできないぞ?」 男子D「な、なんだと!?」ウワァァァ! 男子M「おのれ、おのれドン・サウザント学園!」グググッ 男子V「アラマビックリ!?」 京太郎「いや、もう一週間切ってるしなぁ」 男子D「そういえば夜に麻雀をしている者たちがいたらしい」 京太郎「変人だな!」 男子D「君の力になるはずだ」グッ 京太郎「お、おう」 放課後- 京太郎「さて、今日はどうするか……池田のとこかぁ~」 部室- ガチャッ 京太郎「ちょり~っす!」 一「ん、京太郎だ、体調平気?」 京太郎「おう」 衣「至極心配したぞ!」 京太郎「悪かったな」ナデナデ 京太郎「さて、男子麻雀部の件なんだけど」 智紀「もう無理だよ?」 京太郎「それについては聞いたんだけどさ、なんとかしたいんだよな~」 衣「一緒にやるだけ、じゃだめなのか?」 京太郎「あぁ、それでも良いのか……」ウン ハギヨシ「京太郎君が強くなるなら、夜ですかね?」 京太郎「夜、ですか?」 ハギヨシ「はい、もう深く関わることはできそうでもありませんからね」 京太郎「なるほど、ちょっとわからないんですがなんとかしてみます」 ハギヨシ「しかし、もう片方は気を付けてくださいね?」 京太郎「はい……?」 放課後2- 京太郎「さて、次どうするか」 一「透華となにかあった?」 京太郎「ん、いや、なにも無い」 一「でもさ」 京太郎「なんもないって、な?」 一「うん、前みたいに戻ってね?」 京太郎「……努力はするつもりだよ」 夜- 自宅・自室- 京太郎「さて、夜はどうするかな~」 京太郎「よし、行方不明の件……気になるな」ダッ 京太郎「母さん、出てくる」 須賀母「最近物騒だから気を付けて」 京太郎「おう」 ガチャッ 京太郎「さて……」 まこ「いらっしゃい、遅いけど大丈夫なんか?」 京太郎「まぁ大丈夫ですよ」 京太郎「さて、麻雀します」 まこ「どうぞ」スッ 京太郎(この時間だとおっさんばっかだな) 京太郎「よろしくお願いします」 男A「よろしく」 男a「」ペコッ 男B「よろしく頼むよ」 京太郎(さて……) 京太郎「ツモ……嶺上開花、32000です!」ダンッ 男A「と、飛んだ」 男B「それも三人同時とは」 男a「ありがとう、ございまし、た」 京太郎「ありがとうございました」ペコッ 京太郎(で、なんだったんだ?) 京太郎(ちょっと話聞いてみるか、高校生っぽい人発見) 京太郎「すみません」 ???「え、ナンパ!?」 京太郎「違いますっ、いや、違うとも言い切れないんですけど……あの、噂のことなんですけど」 ???「噂って、吸血鬼の?」 京太郎「はい、詳しいことは知らないんですけど」 ???「なるほど、じゃああまり関わらない方が良いんじゃないかな?」 京太郎「そうですか?」 ???「そうだよ、だから今日は帰った方が良いんじゃないかな?」 京太郎(関わらない方が良いって、深いとこまで知ってる?) 京太郎「もうちょっと、教えてほしいんです」 ???「え、まだ!?」 京太郎「はい、もうちょっとで良いんですよ」 ???「ん~、じゃあ夜は出歩かない!」 京太郎「もう遅いです」 ???「あっ、そっか……なら、人通りが少ない道は歩かない!」 京太郎「ここ田舎です」 ???「思えば遠いところまで来たな~」 京太郎「ん、どういうことです?」 ???「まぁ、とりあえず帰った方が良いよ?」 京太郎「はぁ……」 京太郎(いい加減帰るか) 京太郎「あぁ~暗い帰り道ってさすがにクるな、色々話聞いたし」 男a「すみません」 京太郎「ん?」 男a「あの、すみません」 京太郎「だからなんですか?」 男a「ア……アアアアアアア!」グワッ 京太郎「なっ!?」バッ 対応力100が反映 魔眼75が反映 襲い掛かってくる男から素早く離れる京太郎 京太郎「なんなんだよっ!?」 男b「ウグァァッァア!」 京太郎(もっと、早く帰ってれば良かったのか!?そうだったら、俺は、こんな目に合わずにすんだのか!?) 男c「アァァァッ!」ガシッ 羽交い絞めにされ、動けなくなる 京太郎(し、死にたく、ないっ!) 男a「グアァァッァ!」ブォッ 振り上げられた男の腕が、振り下ろされた だが、男の腕が京太郎に死を与えることはない 京太郎「……え?」 男の胸を貫通する細い腕、それが抜かれると同時に男は倒れて“灰へと還る” 京太郎「な、なにがっ……?」 ???「だから私言ったのに、早く帰れって」 京太郎「あ、貴女は……」 ???「えい!」ドッ 京太郎の横を通る少女の拳が、背後の男の顔を貫く 男b「ガァァァッ!」 少女の背後から男が襲いかかろうとするが、少女は振り向くと同時に拳をぶつけて男を地面に叩きつける 地面が割れて、男が灰へと還るが、京太郎は今だ自らに襲い掛かる恐怖が去ったとは思えなかった 目の前の紅い目をした少女は、笑う ???「大丈夫?」 京太郎「は……はい」 ???「あはは、なんだか色々と巻き込まれちゃったね?」 ここでようやく、京太郎は自らに襲い掛かる恐怖が消えたことを理解できた ???「君、名前は?」 京太郎「須賀、京太郎です……」 ???「そっか、私は弓塚さつき……よろしくね?」 公園- 京太郎「吸血鬼の噂は、本当だったと?」 さつき「うん、これは私が片付けるつもりなんだ……ちょっとわけありで」アハハ 京太郎「まぁあれだけ強ければ大丈夫でしょうけど」 さつき「まぁ大丈夫だから、あまりこっちと絡まないでってことだけ……ね?」 京太郎「わかりました、弓塚さんも気を付けて」 さつき「うん、それじゃまたね須賀君」フリフリ 京太郎「はい、また」フリフリ 京太郎(……これで良かったん、だよ、な?) 自宅・自室- 京太郎「あぁ~色々あったけど、忘れよう……ん、メールだ」 京太郎「ん、誰だ?」 京太郎「お、亦野さんからなんて珍しいな」 差出人:亦野誠子 本文『はじめてメールするけど、ちょっと聞きたいことがあるんだ』 京太郎「ん?」 本文『なんですか?俺に答えれることならなんでも!』 差出人:亦野誠子 本文『淡が突然強くなった理由、わかる?』 京太郎「あぁ~」 本文『それに関しては、上手く教えられることはありません 力になれずすみません』 差出人:亦野誠子 本文『良いよ、こんなこと聞いてごめん また来てよ、私たちも待ってるから』 京太郎「ん」 本文『ありがとうございます、また行きますのでその時はよろしくお願いします おやすみなさい』 京太郎「さて、次は透華か」 差出人:透華 本文『明日も遅れず来なさい!』 京太郎「おお、今日のはなんだったんだ?」 本文『もちろんだろ』 差出人:透華 本文『それなら良いですわ! おやすみなさい』 京太郎「みじかっ!?」 本文『おう、おやすみ』 京太郎「次は、ハギヨシさんだな」 差出人:ハギヨシ 本文『今日も平和に終わりましたか?』 京太郎「……どうするか」 京太郎(ハギヨシさんはいざとなれば連絡をしてくれって言ってたけど……やめておこう) 本文『なにもありませんでした、心配しないでください』 差出人:ハギヨシ 本文『なら安心しました、何かあったら私に任せてください 京太郎君が関わる必要も無い間に終わらせますので』 京太郎(さすが、頼もしいな~) 本文『ありがとうございます おやすみなさい』 差出人:ハギヨシ 本文『はい、おやすみなさい 良い夢を』 京太郎「さて、そろそろ寝るかな~」 カピー「カピッ!」ヘンナニオイ 京太郎「ん?」 カピー「カピ」オンナノニオイ! 京太郎「おう、おやすみ」パチンッ 55日目終了- 56日目・朝- 京太郎「吸血鬼、か……」 テクテクテク 京太郎「おう一!」 一「京太郎、透華とどう?」 京太郎「昨日はメールしたけど」 一「そっか、県予選でなにかあってもいやだし」 京太郎「確かにな……よし、頑張る!」 一「うん、頑張って♪」 授業- 京太郎(さて、俺はどう動くか……) 歩(なんか真面目な表情してる) 京太郎「さて、どうするかな……」 京太郎「さて、どうするかなぁ、あれあいつら居ないな?」 京太郎(シロのおもち、石戸さんのおもち、原村さんのおもち、はやりさんのおもち……)ムムムッ 昼- 京太郎「さて、昼は~」 京太郎「噂について色々聞いてみるか……」 部室- 京太郎「なんで部室に?」 純「わかんねぇか?」 透華「こ、こんな無理矢理っ」 一「ダメだよ、なんで二人がこんな気まずそうにしてるのか……私たち耐えられない」 智紀「うん、二人がこんな風なんて」 ハギヨシ「申し訳ありませんが、私も京太郎君と透華お嬢様がこのような状況というのは」 衣「二人共、なにがあった?」 京太郎「……」チラッ 透華「えっと……」チラッ 純「どうしたんだよ?」 京太郎「みんな悪い、けどこれは俺と透華の問題なんだ、もちろんみんなに迷惑をかけてる自覚はあるけど……それでも俺たちも努力するから、もう少しだけで良い、待ってくれないか?」 透華「京太郎……」 一「……はぁ」 純「京太郎にそこまで言われたら、なぁ?」 智紀「もうちょっとだけ待つから」 ハギヨシ「ではそういうことで、衣様も良いですか?」 衣「うん、わかった、衣も我慢する」 京太郎「悪い」 透華「申し訳ありませんわ」 放課後- 京太郎「さて、部活かぁ」 京太郎「今日は良いよな」 歩「……昼にあんなに言ったのに?」 京太郎「なんとかするから、な?」ナデナデ 歩「……うん」コクッ 京太郎(さて、今日はどうするか) まこ「いらっしゃい、連日じゃな」 京太郎「そうですね~」 京太郎「今日も麻雀ですかね」 まこ「ん、あちらへどうぞ」スッ 京太郎「どうも、飲み物はアイスティーで」 まこ「はい」 華菜「ようやく見つけたし、須賀ァ!」ゴッ 京太郎「ッ!?」ビリビリッ 京太郎(んだよ、この圧迫感っ!?) 京太郎「どうもです池田さん」フッ 美穂子「こんにちは京太郎君」 京太郎「美穂子さぁん!」パァッ 華菜「テメェふざけんな!」 京太郎「黙れ池田ァ!」 華菜「いいかげんにしろよ須賀ァ!」 美穂子「二人とも、仲が良いのね」 華京「どこがっ!?」 モモ「ほんとっすね!」 華菜「どっから出て来たし!?」 モモ「最初からいたっす、良いから始めるっすよ」ゴゴゴッ 華菜「上等だし」ゴゴゴッ 美穂子「あらあら京太郎君、お友達が沢山いるのね」ゴゴゴッ 京太郎「は、はい」 京太郎(さて、どう動くか……)スッ モモ(京さんの周囲はどんだけ女だらけなんっすか!) 華菜(須賀相手に本気なんて出す価値もないし!) 美穂子(私は、どうしようかしら……) 京太郎「俺のターンだ!」ドン☆ モモ(あれが来る!?) 華菜(別の力!?) 美穂子(あら?) 京太郎「ドロー!」カッ 能力『無限煉獄龍』発動 美穂子(あら、じゃあ華菜が本気を出す前に、私は……)スッ 能力『青眼の聖女』をチェーン発動 京太郎(来た!?)グッ 京太郎(……やらせませんよ、美穂子さん!)ギンッ 能力『心鎮壷のレプリカ(喰)』を発動 成功判定無し 相手のオカルト能力を無効にする 美穂子(あ、喰べるんじゃ、なかった)シュン モモ(……やるっすよ!) 能力『ステルスモモ』発動 京太郎(ここは、動かない!) 華菜(なら、おもしろいもんを見せてやるよ……そろそろ混ぜろよ、須賀ァ!)ゴゥッ 能力『鬼神連撃』発動 華菜(キタキタキタキタキタァッ!)ニッ モモ(あれは?) 美穂子(ずるい……) 京太郎(池田ァッ!)ニッ 能力『魔物喰い』を発動、さらにステータス食欲が暴食のためゾロ目でクリティカル 京太郎「」ニッ 華菜(こっち側に中途半端にこれてない奴がこの華菜ちゃんを喰うだ?片腹痛いし!)ゴゥッ 京太郎「ッ!?」ゾクッ 華菜(まったく、怒りのあまり頭が痛いし)フッ 京太郎「ぁっ……」ガタッ バタンッ 京太郎(な、んだ?) 美穂子「京太郎君!?」 モモ「京さん!?」 京太郎(ん……) 京太郎「池田、さん?」 華菜「ん、ようやく起きたか、まったく面倒なやつだし」ハァ 京太郎「頭の後ろ、ゴツゴツしてる」 華菜「さっさと起きろし殺すから」 京太郎「そんなピリピリしなくても」スクッ 華菜「普通にお前先輩相手に失礼すぎだからな!」 まこ「店内では静かに!」 華菜「ご、ごめんだし」 京太郎「すみません」 華菜「お前のせいで怒られたし」 京太郎「さっき、なにがあったんだ?」 華菜「まぁ、こっちの意味での見下げ果てた先輩に教えてやるし……須賀ァ、お前なにかに遠慮してるし、まだ喰うことにためらいがある」ビシッ 京太郎「ためらい、ですか?」 華菜「おう、だからいっそのこと自分なんてもん喰う時だけでも捨てちまえ、じゃないとお前は一生、華菜ちゃんには勝てないし」 京太郎「……」 京太郎「ありがとうございます、池田先輩」 華菜「キモッ!キモすぎだしぃっ!!」ゾワゾワッ 京太郎「てめぇ、感謝したらこれかよ!」 華菜「だからって今のはない!お前がそんな風に言うなんて、怖い!帰るし!」ダッダッダッ 京太郎「あの猫っ」グヌヌ 夕方2- 京太郎「そんなに時間経ってなかったんだな」 京太郎「そういえば麻雀といえば変人の麻雀集団」 ????「ならば俺と麻雀だ!」 ???「お前はうるせぇんだよ!」 ??「少し静かにしていてくれないか!」 ????「まぁまぁ、とりあえずクリア・マインドのことだね」 京太郎(絶対あいつらだ) ????「ん、なんだお前は?」 京太郎「え?」 ??「おい、そんなに喧嘩腰にならなくても良いじゃないか」 京太郎「えっと」 ????「んっ!そうか、君が須賀京太郎!」 京太郎「はい?」 ????「僕がブルーノだ!」バンッ 京太郎「ブルーノって?」 ブルーノ「ああ!」 京太郎「えっと……」 ブルーノ「よし、君はクリア・マインドを習得する必要がある!」 京太郎「え?」 ??「なるほどな」 京太郎「今のわかった!?」 ???「なんのこっちゃ?」 ????「まるでわからん」 ブルーノ「行くぞ京太郎!スリップストリームで着いて来い!」 京太郎「は、はぁ!?」 ブルーノ「そう、京太郎、それが!」 京太郎「これが……クリア・マインド!?」 ブルーノ「そうだ、君なら絶対に習得できると思っていた……もう会うこともないだろうけれど覚えておいてくれ、君が未来を掴むための力、スピードの中で見える世界」 京太郎「ブルーノ……」 ブルーノ「また、いつか」フッ ダッダッダッ 京太郎「ブルーノォォォォッ!!」 夜- 自宅・自室- 京太郎「さて、夜は……」 京太郎「さて、どうするかなー」 京太郎(つい最近、弓塚さんと話した場所だ……) ベンチに座る 京太郎(……吸血鬼、弓塚さんだけでどうにかなるのかな?そもそも弓塚さんってなんなんだ、なんであんな力……) 京太郎「やめだやめだ!関わるなって言われただろ!」バッ 京太郎「そうだな、他のことをしよう!」 京太郎「さてっと」 睦月「あ、いらっしゃいませー」 京太郎(ん、睦月さん!) 睦月「また遊びに行こう」フッ ピッ 京太郎「はい、是非」ニコッ 自宅・自室- 京太郎「ん、メールだ」 京太郎「ん、誰かな」 京太郎「ん、知らないメアドから?」 差出人:??? 件名:天江衣だぞ! 本文『ケータイとやらを買ってみたがおもしろいな 京太郎、登録しておいてくれ』 京太郎「おぉ、衣か」 本文『やったな、これでいつでもメールとかできる』 差出人:衣 本文『東京に行ってもこれで安心だな』 京太郎「それは微妙だけどなぁ」 本文『そうだな、楽しみだ』 差出人:衣 本文『うん、衣も楽しみだ それでは明日も早いからおやすみだ!』 京太郎「おう、おやすみっと……次は豊音さんか!」 差出人:豊音 本文『最近になってシロがまた強くなったよー』 京太郎「マジで?」 本文『ちょーやばそうですね』 差出人:豊音 本文『ほんとだよー最近じゃ五分五分だよー』 京太郎「いや、豊音さんが化け物くさい」 本文『豊音さんってすごいですね』 差出人:豊音 本文『え、そんなことないよー』 京太郎「まぁ、そうじゃないって思うんならそうなんだろう」 本文『じゃあ、また今度打つのが楽しみだって伝えておいてください もちろん豊音さんとも打ちたいですよ』 差出人:豊音 本文『ありがとーまたね、おやすみー』 京太郎「おやすみなさい、次は……池田か」 差出人:池田 本文『須賀、今日は華菜ちゃんとの実力の差がわかったと思うから言っとく、近いうちに風越に来い、それなりの特はさせてやる』 京太郎「なにを偉そうに、でも……」 本文『暇があったら』 差出人:池田 本文『まぁそれで良いけどな、お前は一人じゃ強くなれないってことを忘れんなし! おやすみ!』 京太郎「ん?おやすみっと」 龍門渕家・衣部屋- 衣「ふふ~ん、メールって楽しいなー!」 透華「夜更かしはいけませんわよ」 衣「透華は京太郎とメールしてるのか?」 透華「も、もちろんしてますわ!」 衣「やっぱり二人は仲良しの方が良いな!」ニコッ 姉帯豊音家- 豊音「ふふ~ん、また打つのが楽しみだなー」ニコニコ 豊音「まぁ遅くてもインハイには打つんだもんね、あっ!サインもらっとこう!」ウンッ 池田家- 華菜「ふんっ、須賀のやつ……まるでこの力のことわかってないんじゃないのか?」ハァッ 華菜「まったく世話のかかる奴、頭が痛いし~」フゥ 自宅・自室- 京太郎「さて、徐々に近づいて来てるな」 カピー「かぴ」ナニガ? 京太郎「県予選と個人戦」 カピー「カピ!」ガンバレ! 京太郎「おう!」 56日目終了-
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6100.html
第十四章【小悪魔テク! 女子力粉砕スーパーノヴァ!】 アフター モグモグ 照「私はね、京ちゃんの一番になりたいわけじゃないから」モッキュモッキュ 菫「そうか。まぁ、それも一つの愛の形だろう」モグモグ 照「菫は?」 菫「私に聞いてどうする?」 照「一番になりたいって思う?」 菫「……さぁな。私はまだ、好かれてもいないだろうからな」 照「そんなこと無い」 菫「そう、だと嬉しいな……やはり」 照「うん。京ちゃんに好かれたら、それだけでいいもん。仮に、私が一番じゃなくても……」 菫「照……」 カランカラーン 京太郎「おい淡、本気でこんな場所に入るのか?」 淡「大丈夫だってー! それに、ほら!!」 照「えっ!?」ビクッ 京太郎「照、さん……? 弘世さんも!?」 菫「なっ!? なぜお前たちがここに!?(わざわざ逆方向に進んだというのに)」 淡「えへへ、偶然だねー♪ じゃあみんなでスイーツ食べ放題だー!!」 照「あ、淡……?」 淡「テルー。この淡ちゃんは! 実力で奪い取ると決めたのー!」 照「え?」 淡「……見逃して貰って、勝ち逃げなんてダサイじゃん? ねっ♪」ウィンク 照「……淡。ふふ、その言葉――後悔させてあげる」 淡「望むところだー!! あちょー!」 菫「(たくっ。お互いに誰に似たんだか……)」クスクス 京太郎「照、さん」 照「……んっ」 京太郎「隣、いいですか?」 _. . ――― . . ,. ´ ` 、 / \ . ' / , 、 ヽ ヽ / / / / , | ! | ∨ ∧ , / / / / 、 .ト、 | | { | .| | . / 〃 / /| 从-、} 、 .|-从}-Ⅵ | | | / ィ { |r----从\ |, ---- ミ , / ,  ̄´ | }从 { ⌒Y ∨ ⌒Y } /}/Y ′ | / 乂_ノ 乂_ノ / イ / ,′ | { //// ////r- ' / 从 乂 ^ー( イ / / ∨ { 从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_ 从 イ / \| / \ ∨^/ />/' } / / |乂\∨_,イイ/ } {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉 {`ー∧ / ∧ .、 |- r' __________乂ノ 「iY{ /__} ./, -=- } _____  ̄`, {====}-、 ̄ ̄ ゝ ――‐ ' 照「うんっ……//」ギュッ 女の戦いはッッッ!! ドロドロばかりが能じゃないッッッ!!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/7689.html
どういうわけか量産され全国へと散らばった京太郎。 そして各校の特色に染まった京太郎たちが全国の頂点を目指して しのぎを削る激戦が始まったのであった!! 透華「オーッホホホホ!!我が龍門渕の誇る執事から直々に指導を受けたうちの京太郎に 叶うと思いまして?雑務遂行能力はもちろんのこと、掃除、料理、衣のお世話係りを 全てをこなしたパーフェクト執事の京太郎こそが至高ですわ!!」 菫 「甘いな。照と淡という二大ポンコツのお世話でマネージャースキルを磨き、 さらに照にせがまれ今やパティシィエ顔負けのお菓子係となった白糸台の京太郎を 舐めて貰ってはこまる」 洋榎「わからんでぇ?うちが徹底的に仕込んだから揚げはもちろんのこと、 お好み焼きたこ焼きといった粉もん全てをマスター!さらには絹恵お墨付きの サッカーとハンドボールもあるからどこの運動部でも助っ人が出来る 姫松の京太郎こそが全国一や!」 玄 「えっと…うちの京太郎君はうちの旅館をよく手伝ってくれてますのだ!」 京太郎「なんでどこも普通にオレに麻雀教えてくれないんスかねぇ」 ちなみに宮守の京太郎は行方不明、臨海の京太郎は海外へ行き、 永水の京太郎は隔離されているため出場できませんでした。 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4461.html
麻雀部全員裸族だったら… 須賀君の全裸を見ようの会発足 全国女子が全裸か・・・ 須賀君の全裸を見ようの会 皆で全裸で同じ布団で寝る 今日は皆で裸でおしくらまんじゅうするよっ! 友香の誕生日に京太郎主宰のサプライズパーティー 続・須賀くんの全裸を見ようの会 理性が飛ぶ京太郎 執事京太郎 阿知賀千里山姫松小走先輩憩ちゃんを劔谷に招いてお茶会(全員全裸) コスプレ品評会 京ちゃんが野獣になった裏話少女たちの策略 一年生組で先輩たちのいいところ悪いところを言い合う 部のみんなで莉子のおススメアニメ観賞,しかしその中に秘蔵のアレなのがまざってた 京太郎が獣になった、少女視点 全裸お茶会続き 憩ラッキースケベ 京太郎がラッキースケベを美幸に 全裸になることを許される能力を身に付けた美幸 友香の(非)合法的に京太郎を中心としてみんなでハーレムを作る計画 莉子と友香のキマシな1日